ビットコインは資産?
「通貨」ではなく「資産」
イスラエル政府は2月19日、「仮想通貨は資産とみなし、その販売は売却にあたり、売却による利益は資本所得と分類される」とする考えを示しました。
つまり、仮想通貨は「通貨」ではなく「資産」であり、課税対象となるということです。イスラエルでは資産はキャピタルゲインの対象であるので、税率は25%に及びます。仮想通貨を投資目的でのみ使用する場合は「付加価値税」の支払い義務がないため、個人投資家は25%の税率ですが、企業は17%の付加価値税をさらに払わなければならないので、最大42%に及びます。
マイナーへの影響
また、ビットコインマイナーも「交換業者」としてみなされるため、上記の最大42%の税率になる可能性もあります。
もし、マイナーに42%もの税が課されたらどうなるでしょうか?
ビットコインのマイニングの利益と損失の境目となる損益分岐点は8600ドル(約92万円)と言われています。現在のビットコインの価格はおよそ9500ドル(100万円)前後。あまり余裕のある状況ではないですね。この状況で利益の4割を税として払わなければならないとなると、マイニングをやめてしまうマイナーも現れそうです。
マイナーはビットコインのシステムを支える根幹なので、少なくなることは大きな懸念です。
各国の仮想通貨の課税状況とは?
日本の仮想通貨課税
ご存じの通り、日本では仮想通貨で得た利益は「雑所得」とされます。一律10%の住民税と合わせると、15〜55%で、所得が多ければ多いほど負担が重くなる仕組みです。
現在のところ、この課税方法が変わる兆しはありませんが、一部では仮想通貨の税率を株取引と同じ20%まで引き下げるよう求める動きが活発になってきています。
アメリカの仮想通貨課税
アメリカも仮想通貨は資産として扱う方針ですが、アメリカの特徴は「1年以上保有した人が優遇される」という点です。
仮想通貨の収入には「キャピタルゲイン税」が適用されます。これによって1年未満の保有では、10〜39.8%の税率が適用されますが、1年以上保有した場合は、0・15・20%のいずれかの税率が適用されます。
比べると、日本の税率が高いことがわかりますね。
フランスの仮想通貨課税
フランスは先日、仮想通貨の所得税率を45%から19%へ引き下げることを明らかにしました。これはフランスの最高裁、評議会が仮想通貨を「動かせる財産」として決定したためです。
この決定により、フランスの社会保障関係負担の17.2%と合わせて36.2%となりました。
ドイツの仮想通貨課税
ドイツは2月末、「決済手段とする場合に限り」ビットコインは非課税と発表しました。
また、仮想通貨取引所などの仲介業者は、「利益のために仲介業者としての業務を全うするならば」非課税となり、マイナー手数料はそれが自発的に支払われるものであることから、課税対象ではないとしています。
ドイツの姿勢は他の国と比べても、違いが際立っているように見えます。
まとめ
イスラエルの課税の姿勢である「通貨」ではなく「資産」だとする方針は、日本・アメリカ・フランスでも同じです。一方、ドイツは「通貨」としての面を重視しているようです。
仮想通貨の今後の発展には政府の仮想通貨に対する扱い方が非常に重要になっていくでしょう。