中国・杭州市がブロックチェーン・ファンドに出資
16億ドルのブロックチェーン・ファンドが中国で始動
2018年4月、Dubbed Xiong’An Global Blockchain Innovation Fundと呼ばれる新構想が杭州で発表されました。杭州はアリババの本社があるなど、深センに続きスタートアップ都市となる可能性があると最近注目されている都市です。杭州の郊外には「未来科技城」という地域があり、多くのスタートアップ企業が集まっています。
今回のブロックチェーン・ファンドは16億ドルもの資金があり、そのうちおよそ30%にあたる4億ドル以上が杭州市によって出資される予定です。このファンドは杭州に拠点を置くベンチャーキャピタルのTunlan Investmentによって開始されました。顧問にはZhenfandのCEOであるXu Xiaoping氏を迎え、ファンドマネージャーには中国の著名なブロックチェーン投資家でビットコイン大口のLi Xiaolai氏が任命されました。
中国はブロックチェーン技術を重視している
中国政府はブロックチェーン技術をVR(仮想現実)やAI(人工知能)に次いで重要であると位置づけています。政府が5月に公表した「2018年中国ブロックチェーン産業白書」では、ブロックチェーン業務を主業務とする企業は456社に上り、ブロックチェーン産業は基本的に整備されたとしています。
その一方で、暗号通貨やICOに対する規制路線には変更がありません。中国の中央銀行である中国人民銀行が、独自の法定デジタル通貨を発行するという噂もあり、今後もこの方針に変更はなさそうです。
中国のブロックチェーン開発の方針
Economic Information Dailyによると、ブロックチェーンに関する国家基準が2019年末までに策定される見通しだと言われています。国家基準には、基本的なものからビジネスやアプリケーションの基準、プロセスや方法の基準、信用性や互換性の基準、情報セキュリティの基準が含められ、そして基準のさらなる応用もされるだろう、と電子産業標準研究所のブロックチェーン研究室ディレクターのLi Ming氏は語っています。
ブロックチェーン産業の中心となりつつある中国
中国大手企業の動き
中国の大手銀行や大手テック企業、アリババやテンセント、バイドゥは既にブロックチェーン研究を進めています。4つの主要銀行はセキュリティと透明性を確保できるブロックチェーン・アプリケーションを模索しています。アリババやテンセントは、貨物の追跡を容易にするブロックチェーン・プラットフォームの実験を行っています。バイドゥは”CryptoKitties”というブロックチェーンベースのゲームを提供しています。
まとめ
中国では、深センや杭州を中心として多くのブロックチェーンのスタートアップ企業があり、大手企業も積極的に研究を進めています。暗号通貨取引やICOに厳しい中国政府も、ブロックチェーン産業には肯定的であり、国家基準の策定などで後押ししています。同国でのブロックチェーン産業の発展に期待する一方、日本でもこの分野で発展できるよう、積極的に環境を整備することが望まれます。