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EXEイベント #12 ブロックチェーンとAI/機械学習が生み出す相乗効果(前編)

投稿日:2018年7月16日 更新日:

EXEイベント | ブロックチェーンとAI/機械学習が生み出す相乗効果

ブロックチェーン関連分野における技術共有、発展、応用に重きをおいたMeetupイベント、ブロックチェーン EXE第12回が、LINE本社にて行われました。

EXE#12のイベントレポートをお届けします。(以下、敬称略)

  1. AIとマシーンインターネット | クーガー 石井敦
  2. インセンティブ設計と機械学習 | Gunosy 松本勇気
  3. 海外遠征を含む最新事情共有 | KDDI 茂谷, ConsenSys Jim Maricondo
  4. AI学習履歴に関するブロックチェーン活用 | クーガー 石黒一明
  5. ディスカッション | ブロックチェーンとAI/機械学習が生み出す相乗効果

EXEイベント#12 AIとマシーンインターネット クーガーCEO | 石井敦

石井 敦 | クーガー株式会社 CEO
IBMを経て、楽天やインフォシークの大規模検索エンジン開発。日本・米国・韓国を横断したオンラインゲーム開発プロジェクトの統括や進行。Amazon Robotics Challenge トップレベルのチームへの技術支援や共同開発。ホンダへのAIラーニングシミュレーター提供、NEDO次世代AIプロジェクトでのクラウドロボティクス開発統括などを行う。
現在、AI x ロボティクス x IoT x ブロックチェーンによる応用開発を進めている。

AIにおける機会学習や深層学習の位置付けとインターネット社会のこれからの変化に関してお話がありました。

IoT社会におけるAIの役割

インターネットは人の手を離れて、機械中心で成り立つようになっていきます。IoTは、機械が中心となるインターネット社会において重要な役割を果たします。

身近なIoTの代表例としてスマートフォンが挙げられます。このデバイスがあらゆるものと繋がる事でIoT化は加速していくでしょう。現在、スマートフォンで何かをやる際は人間がトリガーとなりますが、IoTが進み、機械同士でインターネット通信を行う(M2M)ようになればなるほど、機械がトリガーになっていきます。その結果、蓄積されるデータ量も莫大になります。

あらゆるところにインターネットが組み込まれていくと、データのリアルタイム通信も増えていきます。そうなると、「AI Everywhere」という世の中になります。また、機械が自ら通信するデバイスやデータを選択していくようになるでしょう。その時に学習データの履歴を追える事は重要であり、情報の信頼性担保のためにブロックチェーンの活用が考えられます。

ブロックチェーンによる自律分散型AI

M2Mが進むと人間の管理では追いつけなくなります。また、機械自身が意思決定を行う際は数学的な普遍性が求められます。機械が自動的に動いても「なぜそのように動いたのか?」を説明できる必要があるという意味です。

だからこそ人間の管理を離れた、パブリックブロックチェーンによる非中央集権型のシステムが、シングルポイントを持たない仕組みとして重要な役割を果たすのではないでしょうか。

インターネット構造の変化

このような未来には、今のデバイス×クラウド以外にもハイブリッドなインターネットの仕組みが求められていきます。

  • デバイス
  • フォグ
  • クラウド
  • P2P

クラウド

クラウド側は高度で複雑な処理がメインになります。例えば、いろんなデバイスやロボットが行ってきた失敗や成功の情報が全部クラウドに入っていって、より高度な、同じようなことを繰り返さないというのがクラウドの役割なのですが、リアルタイム性というのは各デバイス側がやるイメージです。

フォグ

フォグはスピードと高度な処理の両方を兼ね備えるところを受け持つことになります。例えば自動運転の車が協調走行する際、クラウドまで通信していると間に合わない、かといって単独では処理できないというときなどに活用されます。

P2P

P2Pという部分は、デバイス同士が勝手に繋がって、冗長性とか可用性を勝手に生み出すのを担保する、そういう形が大きく変わる部分だと思っています。

機械と人間の仲介をするバーチャルヒューマン

機械同士が高速で処理して、膨大なデータで無数のデバイスが連動することに特化して処理しているという状態になると、直接人が見ても”データそのものがよくわからない”ようになると思います。

それを解釈するAIエージェントが人間のインターフェースになるというのが、次のマシーンインターネットフェーズとなります。AIエージェントが機械からの情報を変換して、従来のテキストやイメージにアクセスすることができるということになります。

求められる「人間らしさ」

テレビのリモコンがあって、そこからPCなどになって、PCからスマートフォンになって、そこからスマートスピーカーになって、次どうなるんだろうという形になってきていると思います。

スタンフォード大学に、バーチャルヒューマンインタラクションラボというのがあり、ヒューマンインタラクションによってユーザーは本当に思っていることを相談するという形の新しいインターフェースの研究がされています。

いろんな動物型・犬型ロボットがあるなかでaiboが売れていて、やはりそれは生きているような動物であるように思わせるような仕草があるからでしょう。そうした「犬らしさ」というのがやはり効いてきます。

AIとの協調

メディアでは”AI”という言葉が強調されがちですが、石井氏のお話を聞いて行く中で、AIとの協調性や人間コミュニティへの溶け込みやすさといったAI周辺の技術が非常に重要な役割を果たすのだなと感じました。

EXEイベント#12 インセンティブ設計と機械学習 | 松本勇気

松本 勇気 | Gunosy CTO
東京大学工学部在学中から複数のスタートアップを立ち上げ、Webサービスやアプリを開発。2013年よりGunosyに参画。iOS、Androidなどのクライアント開発、Go言語をはじめとしたAPIからインフラ(AWS)まで幅広い領域の開発を担う。2014年6月に執行役員に就任し、現在はCTOとして新規事業開発を担当。直近ではブロックチェーンや非中央集権アプリケーションといった領域の調査を進めている。

多くのユーザーを抱えるニュースアプリ・グノシーを運営しているからこそわかる、機械学習のメリット・デメリットとブロックチェーン活用についてお話をいただきました。

機械学習のプロセス

おおよそ僕らのワークフローでは、機械学習には6段階の処理があります。

  1. 仮説
  2. データ収集
  3. 前処理
  4. 学習
  5. 予想
  6. 成果

これらのプロセスをひたすら回しています。

皆さんがAIと聞いてよく期待するような、どんなインプットでも捌いてくれるようなものではなくて、実はAIと言われるサービスというのは基本的には沢山の学習データの結果を集めているだけだと思ってください。

ブロックチェーンでできること・できないこと

ブロックチェーンでできないこと

パブリック・ブロックチェーンというのは、高度で安価な処理基盤ではありません。例えばPoWのマイニングマシンとかEthereumのEVMとかは、非常に特殊であり、非常にリッチなGPU、非常にプアなCPUで、メモリーも小さい。直接の計算資源としては期待してはいけないかなと思っています。

そのため直接的にマシーンラーニングをブロックチェーンで行うことは現実的ではありません。

ブロックチェーンでできること

では、「何ができるのだろうか」を考えていくと、パブリックブロックチェーンは改ざんが難しい点と、コストはかかりますが、非中央集権的に、ノード運用者を信用することなく特定のタスクを実行させることができる点です。つまりEVMの上に非中央集権的なプロトコルを実装できます。

もうひとつ、面白いのがインセンティブ設計だと僕は思っています。それはルールづけによって特定の行動に対してリワードを付与することができる、これが今日のタイトルに関わってくるんですけど、トークンを組み合わせると過去値付けができなかった何らかの概念に対して価格を生むことができる。価値があっても価格が付かない概念というのは実はたくさんあって、そういったものに対して価格を付けることができることが、トークンエコノミーの本質だと考えています。

ブロックチェーンによるインセンティブ設計

独自トークンの発行には、ブロックチェーンの非中央集権型システムがもたらすインセンティブ設計のメリットがあります。また、経済的インセンティブを使うと、不特定多数の参加者の行動を設計できます。そのため、トークンエコノミーに参加している人たちが自分たちが得するように行動することにブロックチェーンの本質があります。

機械学習とブロックチェーン

教師データとしてブロックデータ使って学習していって、ブロックチェーンに対して貢献するような行動をすると経済的なインセンティブが付与されます。そのため、ブロックチェーンのデータを使ってより経済的な予測を提供する経済的インセンティブが生まれます。

分散予測市場という機械学習で、例えば分散型保険というのを考えてみます。加入する人が病気になるかならないか、誰かにデポジットを入れてもらわなければならないが、病気になるかならないか、どちらに賭けるかとなった場合、機械学習でその人の健康データを持ってきて学習させると、本当に病気になるかが予測できるかもしれません。そして正解すると報酬が返ってきます。今までそのような判定エンジンに対して、利害関係ない人の評価がなかなか難しかったところに、こういった分散型保険の中で機械学習を使ったリワードエンジンを作ると、機械学習としての参加者がリワードを自動的にどんどん入れていって、人よりもより学習が進んでいくことになります。

ブロックチェーンとフェイクニュース

フェイクニュースへの適用は実際に研究開発を進めようと思っています。そのニュースは嘘かどうかをチェックする行為に対して、最終的には人がやらなければならないと思っていますが、人がやるためには膨大な数のURLのうちチェック、フィルターしなければなりません。そのクロールが疑わしいURLをチェックして報告して、しかもデポジットを付けておくと、それが実際にフェイクだった場合にリワードをもらえる。そういう仕組みを作ることで、より精度高くフェイクニュースを挙げようとするインセンティブが生まれ、具体的に儲かります。

機械学習で全部消化すると、どんどん機械学習で世界中のフェイクニュースを判定していきます。フェイクニュースを少なくするほど報酬がふってきます。そうするとファクトチェッカーも楽になり、社会的な便益も作れます。そうするとインセンティブでその判定データを作ることもできます。

パブリックブロックチェーンがもたらすAIへの可能性

パブリックブロックチェーンによって、どのサービスも同じデータベースを参照して自分なりのビジネスを組み立てることができるようになると、巨大なデータを持っている企業に対しても立ち向かえるようになります。

パブリックなプロトコルで人の物のやり取りとかリスキングができるようになると、プロトコルが大半のことをやってくれるので、人を繋げるところだけがサービスの価値になる。そうするとサービスレイヤの差別化というのは、 UIとかUXの違いになってくるかもしれませんし、うまいことフィルタリングしてくれるリコメンド機能になってくれるかもしれません。

ということで、おそらくデータがパブリックになった世界の先に、サービスの差別化の重要なピースとして機械学習が役割を果たすかもしれません。また、ビッグデータを持つ企業に対しても、それらののデータの上により良いサービスを作れるという概念がもっと一般化されて、新しいイノベーションを加速できるかもしれません。

中編

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