TCF(Trusted Computing Framework):秘匿アプリケーションの次の波を構築




当記事は、iExecの配信コンテンツを翻訳したものです。オリジナル英語ソースはこちら。

初期のブロックチェーンは、大量のトランザクションデータの複製をつうじて、計算の信頼性を実現していましたが、プライバシーと秘匿性の点で不完全でした。

信頼されたオフチェーン上でのタスク実行をブロックチェーンに追加することによって、プライバシーと秘匿性における課題を改善することができます。

共有台帳のデータ負荷を軽減しながら、ブロックチェーンは単一の権限のあるオブジェクトのレジストリを維持し、実行のポリシーを強制する事で、監査可能性を保証しています。

2019年10月には、EEA Trusted Execution Task Forceの一部としてのiExecは、EEA Off-Chain Trusted Compute Spec V1.1を発表しました。この仕様は、メインネット上のスマートコントラクトが、UXとセキュリティを損なうことなく、計算負荷の高いワークロードをオフチェーンネットワークに移行させています。

EEAリリース『エンタープライズイーサリアムアライアンス、Devcon 5でのトークン対応ブロックチェーンの実演を発表』

Intelブログ:Hyperledger Avalon Trusted Compute Frameworkに新たな機密コンピューティングソリューションが登場

Devcon5での発表プレゼンテーションのライブ録音

この仕様はHyperledger Avalonの開発に使用されてきました。最新のHyperledgerプロジェクトであるHyperledger AvalonもまたTrusted Compute Framework(TCF)として知られており、開発者が次の波となる秘匿計算アプリケーションを構築するのに役立つ独立した台帳として実装となっています。

Hyperledger Avalonは、Intel、iExec、Alibaba Cloud、Baidu、BGI、Chainlink、Consensys、EEA、Espeo、IBM、Kaleido、Microsoft、Banco Santander、WiPro、Oracle、およびMonaxからのスポンサーシップを集めたユニークな共同プロジェクトです。

TCFを使用すると、開発者はIntel®Software Guard Extensions(Intel®SGX)を利用して、オフチェーントランザクションリソースにアクセスできます。これにより、さまざまなユースケースへの道が開かれます。例えば、ローンシステムや信頼されたトークン、または証明されたオラクルは、オンチェーンとオフチェーン間における信頼された連携作用から恩恵を受けるアプリケーションの例です。

Devcon5期間中のユニークなワークショップ:EEA Trusted Compute Specificationに準拠した報酬トークン

これらの仕様が机上の空論でなく実装へと移行したことを証明するために、ConsenSys(PegasysおよびKaleido)、Envision Blockchain、iExec、Intel、Microsoftの5人のEEAメンバーが協力して、EEA Trusted Compute Specificationに準拠する実用的なプロトタイプアプリケーションを構築しました。

このアプリケーションは、EEAメンバーシップの企業がEEA活動に参加するインセンティブとなるように作れらたトークンです。 2019年10月9日に大阪で、イーサリアム財団の主力開発者カンファレンスであるDevcon 5で初めてデモが行われました。

達成結果は、最新のEEAクライアント仕様に準拠したエンタープライズイーサリアムクライアントであるBesuで実行されているTTF(Token Taxonomy Framework)準拠のアプリケーションであり、オフチェーンEEA準拠のTrusted Computeプール上でホストされています。このプールは、iExec側でMicrosoft Azure SGX対応の仮想マシンを使ってデプロイされます。

このユースケースは、最新のEEA仕様作業とメインネット イニシアチブによって推進され、エンタープライズイーサリアムアプリケーションの意味のあるデプロイと、エコシステム内でiExecが果たす積極的な貢献の役割を示しています。

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