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Facebookが取り組むブロックチェーンプロジェクトとは?【Libra/リブラ】

投稿日:2020年2月28日 更新日:

リブラとは?


 

2017年以降、徐々に仮想通貨関連の話題が増えてきましたが、中でも2019年6月以降、新聞紙上でも盛んに取り上げられている話題があります。Facebookが手掛けるブロックチェーンプロジェクト「リブラ」についてです。

 

Facebookがリブラのホワイトペーパーを公表したのは、2019年6月18日のことでした。それまでも、Facebookがブロックチェーンプロジェクトを計画していることは知られていましたが、このホワイトペーパーによってプロジェクトの全貌が明らかとなりました。

 

ホワイトペーパーによると、Facebookのリブラ・プロジェクトでは、最終的に数十億人が利用できるスケールとセキュリティ性、そしてガバナンスの具備を目指して進められるとしています。

 

また、リブラの目玉の一つは、スマートフォンによって簡単に送金や決済ができることです。具体的には、Facebookが運営するメッセンジャーやワッツアップを使って、手軽にリブラをやり取りできる仕組みを想定しています。

 

Facebookの時価総額は世界トップクラスであり、SNSとしてのFacebookは全世界に27億人ものユーザーを抱えています。Facebookの運営するプラットフォーム上でリブラが使えるようになれば、Facebookユーザーがリブラの潜在的な顧客になると考えられます。

 

それだけに、リブラがローンチされた暁には、数十億人の人々にとって仮想通貨が身近なものになるでしょう。これが、他の仮想通貨にもプラスになると考える人も多く、仮想通貨業界は基本的に歓迎しています。

 

世界的にはリブラNGの風潮

しかし、ホワイトペーパーが公表されて以降、Facebookとリブラに批判の声が集中しており、プロジェクトは前途多難な状況です。

否定的な意見を知ると、ブロックチェーン技術を用いて通貨を発行する際に、何が問題視されるかが良く分かります。

ユーザー保護の観点から

まず、ユーザー保護の観点から、強い懸念が持たれています。

Facebookはこれまで、ユーザー保護における様々な問題を引き起こしてきました。数千万人分の個人情報を流出させたことで米公聴会に召喚された過去がありますし、広告主の企業にユーザーの個人情報を提供している疑いも持たれています。過去の問題に対して、Facebookが、社会から信用を回復するまでにはまだ時間がかかるでしょう。その中で、Facebook社がリブラ構想を打ち上げたことに対し、米国議会が強い懸念を示すのは当然と言えます。

AppleのCEOであるティム・クック氏はフランスのインタビューで「企業は通貨を発行するべきではない」という主張をしています。

「通貨は国家の管理下に置くべきである。企業によって競合する通貨を作り出すというアイデアには反対である。民間企業はこのような方法でパワーを得るべきではない」

2019年7月に開かれた米公聴会も、ほとんどFacebookへの批判・非難一色の状況となり、米国政府がFacebookとリブラに不信感を抱いていることが浮き彫りとなりました。Facebook社が持つ社会への影響力が大きいからこそ、反発も大きくなっています。

金融政策に支障をきたす

リブラは、世界各国から批判を受けています。その最大の理由は、各国の金融政策に支障をきたす懸念があるためです。

それぞれの国では、中央銀行が金融政策を担っており、経済の安定を図っています。そして、全ての金融政策は、各国政府が独自の裁量で発行する銀行券、すなわち法定通貨を前提として設計されています。

もし、中央銀行ではなく民間企業が管理する独自通貨が普及した場合、各国の中央政府が金融政策によって経済をコントロールできなくなり、世界経済に混乱を招く危険があります。

ビットコインは仮想通貨の先代として象徴的ですが、仮想通貨は元来、政府や中央銀行が金融と経済を支配していることへのアンチテーゼとして生まれた側面があり、基本的に政府・中央銀行と対立する立場にあります。

とはいえ、リブラ構想の公表以前は、仮想通貨が短期間のうちに普及するとは考えにくく、すぐさま政府や中央銀行の脅威になるとは考えられていませんでした。

一方、リブラはFacebookが抱える数十億人という顧客に、すみやかに普及・浸透していく可能性があるため、各国政府・中央銀行は強い懸念を示し、非難しているのです。

2019年12月に日本銀行総裁の黒田氏が発表したレポートでは、リブラに対する金融リスクが述べられています。仮想通貨のような存在は一国の制御が効かないからこそ、グローバル間での協力が重要であるという旨が述べられています。そのような懸念は日本政府だけでなく、アメリカ政府にとっても同様です。

米ドルの覇権を崩す可能性

リブラへの批判が特に強いのはアメリカですが、これは米ドルの覇権を覆す可能性があるためです。

現在、世界の基軸通貨は米ドルであり、「国際的な資金の流れ≒米ドルの流れ」となっています。このためアメリカは、国際銀行間通信協会(SWIFT)と米銀を通じて、世界の資金の流れを独占的に把握しているとされます。当然、これが国家戦略にも活用されています。

もし、リブラが普及することで、「国際的な資金の流れ≠米ドルの流れ」となれば、アメリカが米ドルによって握ってきた金融覇権が崩れかねません。

これも、リブラが否定される大きな理由となっています。

リブラは前途多難

デジタル通貨やブロックチェーンの普及・発展を考えると、リブラを好ましいものと捉える意見もあります。

しかし、金融・経済への悪影響も強く懸念されており、各国政府・中央銀行は容易に認めないでしょう。今後も、リブラには逆風が吹き続けると考えられます。

ブロックチェーンの今を知る上では重要なテーマですので、今後も注視しておくべきでしょう。

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