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【Blockchain EXE #20 SDGsへのブロックチェーン活用①】生活者×スタートアップ×大企業によるブロックチェーンを活用したオープンイノベーション型の社会変革プロジェクト – 博報堂ブロックチェーン・イニシアティブ | 伊藤佑介

投稿日:2019年12月10日 更新日:

持続可能社会の実現に迫る!SDGs達成にむけたブロックチェーン活用のチャレンジ!!|Blockchain EXE #20

Blockchain EXE#20は、ブロックチェーンが、SDGsで掲げられた目標である持続可能社会の実現をいかに後押しすることができるのか、各領域で活動する事業家と共に、その実態と今後の展望について迫りました。

目次

生活者×スタートアップ×大企業によるブロックチェーンを活用したオープンイノベーション型の社会変革プロジェクト | 伊藤佑介 博報堂ブロックチェーン・イニシアティブ

伊藤佑介|博報堂ブロックチェーン・イニシアティブ
2008年にシステムインテグレーション企業を退職後、博報堂にて営業としてデジタルマーケティングを担当。
2013年からは博報堂DYホールディングスに出向し、マーケティング・テクノロジー・センターにて、デジタルマーケティング領域のシステムの開発~運用に従事。
2016年から広告・マーケティング・コミュニケーション領域のブロックチェーン活用の研究に取り組み、2018年9月より博報堂ブロックチェーン・イニシアティブとして活動を開始。その後、次々とマーケティング・コミュニケーション領域のブロックチェーンサービスを開発し、2018年11月5日にトークンコミュニティ解析サービス「トークンコミュニティ・アナライザー」、2019年1月31日に生活者参加型プロモーションサービス「CollectableAD」、2019年2月6日にデジタルアセットリアルタイム配布メディアサービス「TokenCastMedia」をリリース。現在は、さまざまなブロックチェーンベンチャーとコラボレーションしてブロックチェーンの社会実装に取り組んでいる。

伊藤:博報堂ブロックチェーン・イニシアティブの伊藤です。よろしくお願いします。私の方からは「社会変革プロジェクト」という題名からちょっと変わって、より具体的なテーマをお話しさせていただきます。今回お話しするのは、本日11時に博報堂からリリースされたばかりの、ソーシャルグッド活動推進プラットフォーム「GiverCoin(ギバーコイン)」というサービスについてです。今日はそちらについて、開発の背景や舞台裏、今後何をしていきたいか、どういう世界観を実現していきたいと思っているかということをお話ししたいと思っています。

GiverCoinプロジェクトを構想した背景

今日リリースされたのが「GiverCoin」というプロジェクトで、まずこのようなサービスを構想した背景をご紹介します。私は昨年から博報堂ブロックチェーン・イニシアティブで様々なブロックチェーンの活動をしており、主に2つのことをやっていました。

  1. 自社のブロックチェーン事業開発
  2. 他社と協業したブロックチェーン事業開発

今回このプロジェクトを立ち上げるきっかけとなったのはまさに後者で、様々な会社や団体の声に応えたいという思いからでした。

様々な会社とブロックチェーンの取り組みをしようというときに、3つの案が出されました。1つは、業務のセキュリティ面や業務の効率化、課題の解決のような、主にSIベンダーが携わっている部分。2つ目は、収益性や事業計画を伴うような新しいブロックチェーン事業の開発です。そこまでは割と想像できたのですが、もう1つ違った案が出てきました。それが今回のテーマとなっているSDGsの思想に近いものです。

例えば、食品メーカーで、食のトレーサビリティのような取り組みはSIベンダーとブロックチェーンを使っていろいろと行われています。一方で、フードロスに配慮した商品を購入した消費者に対しては何の取り組みもありませんでした。そのため、そのような人たちに対して、環境に配慮してくれたという事を示すための信頼スコアや、トークンを付与するといった中で、ブロックチェーンを活用したサービスを作ってみたいという声が上がりました。

また、エコドライブの推進や二酸化炭素を出さない車の開発など、企業が持続可能な事業を展開していくように応援してくれるユーザーに対して、貢献してくれたことをトークンなどで返すような証を出したいという声もありました。他にも、電力会社では、再生エネルギーを活用することで、収益を上げるだけではなく、ソーシャルグッドの活動を推進しようとしています。

その中で、多くの企業やNPOから、自分たちが社会的テーマを掲げて行っているサービスのユーザーに対して、トークンでその貢献の証を示したいという声が上がったことが今回のプロジェクトを構想した背景にあります。

企業がSDGsに取り組む理由

なぜ各企業がこのようにソーシャルグッドの活動に取り組むのかということを紐解いていくと、やはり今回のテーマに行き着きます。私は最初、企業もいいことをしていかなければならないというようなゆるやかな考えがあるのだと思いましたが、様々な企業の問題意識を聞くと、それだけではないということがわかりました。企業は、ただソーシャルグッドの活動をしたいのではなく、SDGsというテーマが経営課題の一つであり、企業の存続に関わることなのだという考えが背景にあると知りました。それは、企業がSDGsに取り組む意義を野村総研が示していることや、投資家がSDGsに取り組んでいない企業には投資してくれないという事実が存在している事からも明らかで、企業にとっては大変重要なトピックです。

SDGsが世の中に出てから、ソーシャルグッドという言葉はアップデートされました。SDGsに関わる事業で、それに寄与するユーザーや消費者の方々に何かを返すということは、もはや社会をよくするというより、企業を存続するためのものであるということです。SDGsは、17の領域で世の中をよくしようということですが、道徳的な側面だけはなく、ビジネス上、これに参加するということが不可欠なのです。だから、私も「これは社会のために新しいことをやるのではなくて、ビジネスなのだ」と理解を新たにしました。

では、具体的にSDGsのビジネスとは何かということを様々な企業からお聞きすると、もうすでにお手本になるような取り組みを行っている企業がいくつもありました。

例えば、フードロスをなくすということを軸に置いてサービスする企業です。冷凍したフルーツを提供することで、フードロスを発生させない取り組みです。また、最近、私も行きつけのカフェでよく見かけますが、木製や紙製のストローを作る取り組みです。プラスチックのストローは再生性がないということで話題になっていますが、木製のストローは飲みやすいわけでも顧客のニーズでもなくて、SDGsを体現するサービスとして商品開発されています。

生活者側のSDGsに対する意識が低いという課題

私の中で、新しいプロジェクトを立ち上げようと決心したきっかけは企業やNPOがSDGsという経営課題に向き合おうと真剣に取り組んでいる一方で、生活者側のSDGsに対する意識がほとんど醸成できていないと感じたことでした。様々な企業やNPOが事業を展開する中で、トークンのようなもので貢献スコアを出したいというのは、提供する側だけでなく受け手側にもそういった意識を醸成させたいということが裏のニーズとしてあるのではないかと思います。

我々のミッションは、SDGsの浸透のために、ソーシャルグッドの世の中をみんなが自分事化して作るということと、そのような行動に時間をギブしている人を増やすということです。今回のプロジェクト名にもなっていますが、Giverには、このようなSDGsやソーシャルグッドを推進する消費者や生活者をGiverとして自分事化してあげることで、企業側が進めているような取り組みを生活者側にも浸透させようという意味合いが込められています。博報堂では「生活者発想」をフィロソフィーに掲げ、マーケティングなどを通して生活者と向き合い、気づきを与えようと努力しています。私がブロックチェーンのプロジェクトを立ち上げたいと思ったのは、そういった考えや経験や企業のみなさんとの出会いによるところがあります。

GiverCoin開発の舞台裏

こんなことを言っても、私一人では何もできません。ですが、私は幸いにもBlockchain EXEの運営にも携わっており、様々なベンチャーのブロックチェーン担当者の方々と関係を築かせていただきました。そこで、様々なプロジェクトの話をしたところ、トークンポケット株式会社、有限会社ズィープロダクション、株式会社Shinonomeがこのミッションに賛同してくださり、今年の3月にプロジェクトがスタートしました。

そして、今日GiverCoinがリリースされました。このプロジェクトは基本的には社会貢献だと思っていますので、このプロダクトを提供するとともに、今日から様々なソーシャルグッドの活動を推進している企業やNPOの方々と手を組んでやっていきたいという思いでやっています。

GiverCoinアプリについて

今日リリースしたアプリには、3つのフェーズがあります。1つ目は、SDGsに関するサービスの一覧で、ここに順次、連携している企業のサービスが並んでいきます。2つ目は、そのサービスについてアウトプットをするとプレゼントがもらえる仕組みです。そして、3つ目はウォレットで、ソーシャルグッドなサービスを使って得たGiverポイントの合計がわかるようになっています。ですから、基本的には、SDGsを意識したサービスの受け皿として、それを使った人にGiverポイントや証を与えるという設計になっています。

そして、今回一つのサービスをご紹介させていただきます。これは博報堂で一緒にSDGsの活動をしている林さんが考えたサービスで、例えば、「父親の44歳の誕生日を祝ってほしい」と依頼すると、世界中の人からお祝いのメッセージが届くというものです。

私も先日、娘の誕生日のお祝いを依頼したところ、スペインやアメリカ、ブラジルなどの方々から動画が届きました。このようなアウトプットをしてくれた人にGiverCoinが与えられるわけですが、それ以外にも、例えば、美術館のチケットや文化的なイベントの招待券などを提供することができるよう、協賛してくれる企業を募集したりしながらブロックチェーンのプロジェクトを進めていきたいと思っています。

最後に、今回このGiverCoinのスタートアップに携わった方々がSDGsを推進するためのプラットフォームを作ってくれました。この方々こそGiverです。是非みなさんもこのSDGsを推進するプロジェクトに参加してほしいと思います。ありがとうございました。

質疑応答

質問者:ブロックチェーンを使う優位性について、どのようにお考えですか?

伊藤:ブロックチェーンでできたトークンの優位性は、信用創造だと思います。ビットコインもイーサリアムも、世界中の人々が通貨をやり取りすることで、11年かけて経済的価値という信用を創造できました。
GiverCoinに関しては、仮想通貨のような機能性ではなく、活動が重要です。社会がSDGsを信認し、その活動を推進する中で、GiverCoinがみなさんや企業がソーシャルグッドの活動に取り組んだ、その貢献を示すものとして信用されるようにしていきたいと思っています。

質問者:これまでの中で何が一番難しくて、それをどのように解決しましたか?

伊藤:一番大変だったのは、仲間を集めることです。やはり、いきなりお金になる話ではないので。今回協力してくださった3社は、長年コミュニケーションを取っていて、ビジョンが合ったので一緒にできましたが、仲間集めが一番大変だと思います。
2つ目は、会社に対する説明です。博報堂もブロックチェーンにフォーカスしている会社なので、この活動の意義や将来どうなるかということをしっかり説明して理解してもらうことが大変でした。
3つ目は、法的な観点です。会社には顧問弁護士がいるので、法的な観点や行政的な観点できちんと確認を取って、社会から認められる形でコンプライアンスを守り、それを実行すること。この3つが大変でした。

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