経済発展著しいアフリカ
未来の大きなビジネスチャンスを掴もうと多くの企業がアフリカに進出しています。Facebookは巨額の資金を投資して、アフリカのインフラを作ろうとしています。日本ではDMM.comなどがアフリカに進出しています。
これらの外資企業によるアフリカ投資にはブロックチェーン技術を開発する企業への投資も含まれています。
非中央集権的なテクノロジーということもありビットコインは通貨の不安定な国で多く保有されるという傾向があります。一方で”使われる”だけでなくブロックチェーンを発展途上国の人々が”作る側”にもなりつつあります。
経済発展の著しいアフリカのブロックチェーン企業は、果たしてどのようなブロックチェーンの開発を行っているのでしょうか。
アフリカのブロックチェーン企業その1:BitHub.Africa
- 拠点:ケニア
- 実績:★
BitHub.Africa is a commercial Blockchain Accelerator that is driving the adoption of blockchain technology and solutions across Africa.
ブロックチェーンの企業コンサル・教育を行う
BitHub.Africaは、2015年に設立されたケニアを拠点とするブロックチェーン企業(組織)です。
彼らはアフリカを対象に「ブロックチェーン技術を企業がどのように扱っていくか」といったコンサルティングサポートを行っています。またケニアの首都ナイロビでブロックチェーンエンジニアの教育も行っています。
ケニア政府も積極的
ケニアは政府が中心となって新しい産業化と中所得国になることを目指し”2030年ビジョン”を掲げています。そのビジョンの3本柱として「Economic(経済); Social(社会); Political(政治).」に対する改革を計画しています。
このケニアの2030年ビジョンを、BitHub.Africaはブロックチェーンテクノロジーによって達成しようとしています。
政府や企業が”国の成長のため”積極的に動いているというのは発展途上国の経済成長率に大きく関わるため、非常に重要なポイントです。今後ケニアはテクノロジー分野で大きく伸びるポテンシャルがあると言えるでしょう。またこういった国に視察に行くと意外と難なく政府のトップと知り合えたりもするので今のうちに参入するメリットは十分にあります。
アフリカのブロックチェーン企業その2:Bitland
- 拠点:ガーナ
- 実績:★★★
Bitlandは、ガーナを拠点としたブロックチェーン企業ですが、メンバーは雇用されているわけではなくボランティアのため、企業というよりはハブというイメージが近いかもしれません。
現在、ガーナにはちゃんとした住所のない場所(ドキュメント化されていない住所)が数多く存在します。つまり土地の管理を政府が管理できていないという問題があります。
スマートコントラクトによる土地管理システム
そこで、Bitlandはブロックチェーンをベースにした土地管理システムを使うことで、政府と住民の間にあるギャップを解決することを目指しています。
このシステムを構築することによって、政治に依存せず、個人が持っている不動産や地所の所有権を保障したり、登録したり、取引を確定したりすることが可能になります。
非中央集権的なブロックチェーン技術を用いて政府を排除したいという事ではありません。重要なのは政府が管理しなくても価値や権利を保証できるため、お互いにとってメリットがあるという点です。
不動産などの権利や価値保証をスマートコントラクト化するサービスは多くの企業で開発が進められています。一方でBitlandのように課題が明らかな国で開発を進められるのは、地域ネットワークを持っている点で非常に強みでありサービスのニーズを見込むことができます。
アフリカのブロックチェーン企業その3:Bankymoon
- 拠点:南アフリカ
- 実績:★★
BankymoonもBitHubと同様に、ブロックチェーン技術を応用したい企業に対するコンサルティング業務を行っています。またおすすめブロックチェーンイベント・セミナーにも紹介したようにミートアップイベントも行っています。
2015年に設立されており、 CEOのLorien Gamaroffは多くのメディアに取り上げられています。南アフリカの電気供給問題をブロックチェーン技術で解決するアイディアやWebサイトでは南アフリカの学校への募金を行っていたりと幅広く活動しています。
アイディアベースの議論が多いため、実際の開発がどれだけ進んでいるのかはわかりません。
Bankymoonの現状としてはアフリカのブロックチェーンメディアという色が強いです。
アフリカのブロックチェーン企業その4:BitPesa
- 拠点:ケニア、ナイジェリア、ウガンダ、タンザニア/li>
- 実績:★★
BitPesaはユーザーがデジタル通貨をグローバルに交換できる取引所を目指しています。同社は、企業や個人がケニア、ウガンダ、タンザニア、ナイジェリアとの間で支払いを送受信できるようにします。また、世界の多くの地域からBitcoinを受け入れ、現地の通貨と交換できるようにします。
国際間決済の手数料や複雑性をビットコインを用いて解決しようという取り組みです。
EUのようなシステムとは若干違いますが、今後このような決済システムがアフリカで広がるかは注目すべきでしょう。
アフリカのブロックチェーン企業その5:otlw
- 拠点:アメリカ(ニューヨーク、ボルチモア)、ドバイ
- 実績:★★★
ケニアの首都ナイロビで設立されたotlwは現在アメリカとドバイに拠点を移しました。
otlwはEthereumとIPFSプラットフォームを使いスマートコントラクトやID認証のブロックチェーン開発を行っています。
主にブロックチェーンのアプリケーション面の開発に力をいれており、誰もが教育を受けられるようなP2Pシステムを提供することを目指しています。
金融以外のブロックチェーン開発ということで今後ますます注目されていく企業でしょう。
まとめ
アフリカはインフラが整っていない分、既存のシステムと比較した「ブロックチェーンである必要なくね?」というよくある質問を深く問われることが少ないと言えます。また途上国は先進国に比べて企業が政府と繋がりやすいという大きなメリットもあります。
一方でインフラが整っていない分、時間的コストは大きいですし、平均所得が低い分マネタイズも難しいです。そのためマネタイズ時期を後ろに伸ばせるだけの資金を持っている企業がアフリカに積極的に入っていきアフリカのインフラになる事を狙っています。
外資企業に寛容な政府は最新のテクノロジーを取り入れるスピードも早いため経済発展の指数関数的成長も見込むことができます。今後のアフリカがテクノロジーによってどれだけ経済発展をしていくのか注目です。