BlockchainEXE ニューヨーク運営
Tomoyuki Kage

Blockchain EXEとConsenSysによるブロックチェーンとスマートシティ

1月のニューヨークに続き、2018年3月20日にサンフランシスコにてBlockchain EXEを開催してまいりました。今回のテーマは「スマートシティ」。スマートシティはどのように機能し、そこでブロックチェーンはどのように使われているのかをディスカッションしてまいりました。日本企業からクーガー、KDDI、日立、そしてアメリカからConsenSysが参加し、現在のプロジェクトやコンセプトなどを発表しました。サンフランシスコ在住の様々な方々合計120名ほどの沢山の人達に来ていただき大変好評を得て日本へ帰ってまいりました。今回はそのイベント内容のレポートを行います。

サンフランシスコは特にブロックチェーンのベンチャーや技術者が集中していることや、数年前よりスマートシティの試みが行われてきた土地でもあり、ここでBlockchain EXEが開催できたことは大変意義があると思います。

»何故Blockchain EXEがサンフランシスコへ?(サンフランシスコのブロックチェーン最新事情)

サンフランシスコのミートアップが始まるまではこんな雰囲気でした







前回のニューヨークも今回のサンフランシスコもそうですが最初に集まったみんなでわいわいとビールを飲みながら友達を紹介しあったりなどでネットワーキングをします。登壇者も結構飲んでだりして日本よりもちょっとフランクな雰囲気ですね。前回のニューヨークの時と同じく日本らしく、お寿司を用意したらすぐになくなってしまいました。

日本語ペラペラ!のConsenSysのジムさんも来ていただきました。なんと、びっとこいんと書かれたいい感じのダサクールなTシャツを着てらっしゃいました。そして予定の時間となり、今回のミートアップが始まりました。

COUGER(LEAD PROJECT MANGER)の Kojiro Hirateさんにまず、Blockchain EXEとは何か、日本でどんな活動を行なっているのかということをサンフランシスコの皆さんにご説明させていただきました。

ConsenSys(West Coast Regional Director)のAlenssandro(アレックスさん) Votoさんに今日のミートアップのテーマと簡単な登壇者のご紹介をしていただきました。このミートアップの開催の為、サンフランシスコ、ニューヨークなど色んな場所でミーティングをして登壇者や場所の手配などもアレックスさんには尽力していただき、感謝しすぎてもしきれません!

今回のテーマ、”スマートシティ”とは

スマートシティは以前から非常に広義で使われる言葉でもあり、定義するのが難しいのですが、ここ最近では”IoT”を用いて、エネルギーや生活インフラの管理に用い、都市の生活基盤全体が最適化された都市のことによく用いられる言葉です。都市集中が予測される近未来では、より効率的な行政サービスやエネルギー管理、環境への対策が求められています。日本でも昨年、経済産業省に「次世代エネルギー・社会システム協議会」が設置され、横浜市を含む4都市で実証研究を始めております。スマートグリッドの流れからスマート化を電力のみに着目しがちな日本に対し、世界では都市全般をスマート化するスマートシティプロジェクトが各都市でいくつも進んでおり、ブロックチェーン技術は様々なスマートシティのあらゆる分野に用いられ、ブロックチェーンを使ったユースケースの中でもスマートシティは特に注目を集めている分野です。

当日の登壇メニュー

  1. 「スマートシティへの序章(イントロ)」Shraddha Chaplot : ConsenSysマッドサイエンティスト
  2. 「スマートシティに自律型ゲートウェイ「Connectome(コネクトーム)」を」石井敦:クーガーCEO
  3. 「分散型分析プラットフォームの開発」茂谷保伯:KDDI Blockchainプロジェクトリーダー
  4. 「ブロックチェーンのビジネスケース」David Pinski:日立 投資戦略(ストラテジスト)チーフ
  5.  パネルディスカッション

1、Shraddha Chaplot : ConsenSysのマッドサイエンティスト

Shraddha Chaplot : ConsenSys, マッドサイエンティスト
想像力と実験を元にSmart Farmからインタラクティブな実践的な教育ゲームを制作。IoTとブロックチェーンに焦点を当て、現実世界において限界や境界線がない空間を目指し、研究室Mad Scientist’s Playgroundを立ち上げる。
linkedin

「スマートシティへの序章(イントロ)」

シリコンバレーで10年間働いていたShraddhaさんは、1年前にConsenSysのCEOジョセフ・ルビン氏に会ったことがきっかけでConsenSysのマッドサイエンティストになりました。今回のデモでは下記の点について彼女自身のバックグラウンドなどを織り交ぜ紹介されました。

  • スマートシティとは何か
  • スマートシティ例
  • スマートシティとブロックチェーン
  • マッドサイエンティストとしての活動

スマートシティとは何か。

まず、スマートシティとは何かを定義いたします。モノのインターネット(loT)技術を活用して都市機能を強化・最適化することだと定義いたします。

loT センサー、カメラ、ソフトウェア、インターネット接続。
都市機能 水、エネルギー、交通、建築、など
方法 センサーと監視技術によりデータを集め、それに対して効果的な分析を行います
どうして? 都市における、暮らし、仕事、生活や遊びなどにポジティブな効果を与えるため。

都市生活に存在するセンサーが毎秒、毎時、毎日データを集めてそれを最適化していき、さらに都市生活を効率化していきます。これにはまだまだ沢山のチャレンジが必要でしょう。また、ご存知の通り、どんなテクノロジーも良いことにも使うことができますが、悪いことにも使う人もいます。ここではポジティブな結果を求めていくことがとても重要だと思います。

スマートシティの実例

現在、世界中では何年にも渡ってスマートシティの実験が行われている真っ最中です。そこでスマートシティのサンプルとして、まずはスペインのバルセロナのスマートシティをご紹介いたします。

  • 灌漑システム:農場の農作物向けにセンサーを設置して水位情報をリアルタイム農家に伝達
  • 公共交通システム:交通情報、混雑状況をセンサーから収集・解析し、バスのネットワークシステムと連携。このシステムによりそのバスに乗れば何時にどこに自分が行けるのかを以前より正確に把握することできるようになり、また緊急時にどう行動すれば良いかなどの判断材料にすることが可能になりました。

バルセロナだけでなく、有名な都市ではマドリード、ストックホルム、シンガポール、メルボルン、サンレアンドロやインド国内でも多数行われています。去年行われた調査で世界には250を超えるスマートシティプロジェクトが178のシティで存在しているそうです。

スマートシティとブロックチェーン

まずはブロックチェーンとは何か、特徴を先にお話しいたします。

  • 分散(Distributed):誰か一人が管理している訳ではなく、最初から誰かと情報を共有して使うことができます。
  • 非中央集権(DeCetralized):誰かひとりのサーバーの中だけにあるシステムではなく、誰でも参加できるシステムです。
  • 改竄ができない(Immutable) : そのブロックチェーンの情報は過去も含めて改竄をすることができません。
  • 資産の交換の為のセキュリティの高いデータベース:誰かと何かの資産を交換するときにとても有効です。最も一般的なのはお金となりますが、写真家の写真データや土地、yes or no の為の投票など他にも沢山のユースケースがあります。何かを誰かと交換するとき、つまり”契約”をする時にとても有効だと言えます。

ここでスマートシティでどうやってブロックチェーンとIoTを使うかのお話をいたします。わかりやすい例として駐車をする時の問題解決をサンプルとしてお話いたします。駐車をする時、駐車場探しからチケットを買って停めるまで、50分かかるなんてことはざらで、本当にこんなに無駄な時間はないですよね。スマートシティにブロックチェーン技術を用いると、空いている駐車場の位置から停めたい運転手の現在地まで情報が共有されることにより、無駄がなくなり渋滞も解決すると思います。

まず、ドライバーAと駐車場の会社Bという個人Aと会社BとをIOTを連携させたブロックチェーンベースのパーキングシステムを考えてみます。

まず、IoTはドライバーA に対してどこの駐車場が空いているかを直接知らせようとします。

GPSによってどこの場所かを正確に知らせ、また可能であればそこまで渋滞を回避していけるようにしたいですね。

そこで、ブロックチェーンが駐車料金を含めた情報をドライバーAから駐車場会社Bに対してのトランザクションを可能にしてくれます。トランザクションがオンになっている間はブロックチェーンのブロックがオンラインになることにより、誰もがそのオープンネットワークを見ることが可能になります。ブロックチェーンを使うことにより誰もが閲覧できる情報にするというのが大切です。他にも喜んで使ってくれる沢山の参加者がいればさらにそのトランザクションは活性化します。最後に駐車料金をドライバーAから駐車場会社へ支払いをすることができます。

●マッドサイエンティストとしての活動

最後に、南カルフォルニア出身の彼女は、誰がどこで何を買ったか、どこを歩いたかなど、まるでセンサーがあるようだったと、自身の生い立ちがマッドサイエンティストの仕事に役立っていると話し、都市の場所に対話型のloTファームを構築することの利便性を話しました。ConsenSysで念願の自身のラボを設立した彼女は、多くの教育カリキュラムや技術的なデモを作ることで、人々の相互理解に役立っています。

»【中編】ブロックチェーンとスマートシティ

おすすめの記事