物流へのブロックチェーンの応用

ビットコインの要素技術として生み出されたブロックチェーンの技術は、金融だけでなく、様々な業界へ活用し、業務を変革する可能性があると言われています。物流業界も例外ではありません。今回は、なぜブロックチェーンにより物流が変わるのか説明します。

▼目次

  1. 履歴が残り、公開されることで物流が変化
  2. 物流業界への新規参入障壁を下げる
  3. ブロックチェーンを物流に適用させるための課題
  4. 物流とブロックチェーンの未来

ブロックチェーン上に履歴が残り、公開されることで物流が変化

ブロックチェーンで採用されている分散型台帳は、履歴が自動で残るだけでなく、参加者に情報が公開されるという特徴のある技術です。、公開されているだけでなく、前後の履歴ともつながっていることから改ざんできません。これらの特徴を物流に活用することができると言われています。

物流の課題とブロックチェーンの可能性

物流は、生産者から消費者へ届けるまでの間、複数の工程に分かれています。既存システムでは、それぞれの工程ごとにデータがバラバラに管理されており、その品物がいつ、どこで生産されたかを調べるためには多大な労力を必要とします。

また、データがバラバラに管理されているということは、一つの品物に関するデータであったとしても、複数の工程を経由する中でデータの消失や改ざんが発生する可能性もあります。

ブロックチェーンによる物流業務の効率化

しかし、履歴が自動で残り、情報が公開されているというブロックチェーンの特徴を物流に活用すればこれらの問題を解決できると言われています。生産者から物流を介して消費者に届くまで、どういう経路をたどったかの公開された履歴を、中間業者・消費者ともにたどることができます。そして、ブロックチェーンにより残された履歴は改ざんできないため、得られる情報は信頼性の高いものとなります。

このようにブロックチェーンを物流に適応させることで、物流が大きく変わると言われています。

物流業界への新規参入障壁をブロックチェーンが下げる

ブロックチェーンの情報が公開されているという特徴は、物流業界における新規参入の障壁を下げることにもつながります。

これまでは工程ごとにバラバラにデータを管理していたことで、工程間の取引は古い商習慣に依存したものになりがちで、新規の業者が参入することが難しくなっていました。

ブロックチェーンで物流市場が活発に

しかし、ブロックチェーンの技術が物流に導入されれば、情報が公開されることが前提となり、新規参入や離脱が容易となるのです。情報が公開されていることは、新規参入業者であったとしても、相手業者に対しての連絡のやり取りを容易にでできるということです。

物流業界への新規参入障壁を下げることは、物流業界における価格競争を生み、コストを下げる要因にもなります。これまでかかっていたコストが下がることで、消費者はより安い品物を受け取れるようになるのです。

ブロックチェーンを物流に適用させるための課題

これまでに記述した通り、物流には、様々な工程があり、日本だけでなく世界各国をまたいでいるという特徴があります。そのため、ブロックチェーンを活用したシステムを物流に構築するためには、多くの国、多くの業者と提携を行う必要があることから、実現には多大な労力を要します。

ブロックチェーンの活用には物流業界の法整備が必要

ブロックチェーンを適用することは、物流の商習慣を変えるだけでなく、物流関連の法律自体にも影響を与えるため、法制度を整備する必要もあります。

ブロックチェーンを物流業界に適用するためには、これらの課題を乗り越えねばなりません。

物流とブロックチェーンの未来

ブロックチェーンを物流業界に適用するために、課題はあるものの、実現できれば既存の物流システムを大きく変化させ、消費者にとっても効果を発揮します。ブロックチェーンによって、物流業界が変化することは間違いないでしょう。

Amazonや楽天、メルカリなどEC市場が伸びていることで物流の需要も今後伸びていく一方で人手不足など様々な課題があり、それを解決するためにテクノロジーの力を借りる事は非常に重要といえるでしょう。

利害関係社が多数存在する物流業界において、ブロックチェーンで企業間のネットワークが活性化することが必要です。

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