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アフリカの途上国が、ブロックチェーン先進国に!? たった5日でコミュニティが立ち上がった「ルワンダ」で何が行われたのか?(中編)

投稿日:2018年9月13日 更新日:

▶︎前編はコチラ

正直、不安しかない

初めて訪れる大陸の初めて訪れる国。周囲にも行ったことがあるという人がほとんどいない国。調べて手に入る情報もそれなりに見つかれど、それらを鵜呑みにしていいものなのか。

共同開催するルワンダ大学と事前にやり取りしていたとはいえ、実際のところどんな人が何名ほど参加してくれるのか。どんな熱量で参加してくれるのか。予定しているプログラムの難易度は適切か。途中で来なくなる人がいるんじゃないか。オンライン講義も予定しているけどネット環境は大丈夫なのか。そもそも異国の地で5日間という長丁場のイベントを開催するなんて、、、等々。不確定な要素が多すぎる状況。

考えれば考えるほど不安は募るばかり。

目次(中編)

  1. とても豪華なワークショップ
  2. 日本と異なる「なぜそこにブロックチェーンが必要なの?」
  3. でも、正直ピンと来ないものも

とても豪華なワークショップ

ルワンダで初となる開発者向けブロックチェーンワークショップは、多くの方々のご協力により実現・開催することができた。

Blockchain EXEイベント概要

日程 2018年8月13日(月)から17日(金)※ルワンダ時間
会場 ルワンダ大学

参加ブロックチェーン企業

ConsenSys (アメリカ)イーサリアムブロックチェーン企業最大手
Stellar (アメリカ)個人向け国際送金。2018年8月時点で時価総額6位の仮想通貨
Ocean Protocol (ドイツ)分散型データエクスチェンジ。政府とのプロジェクトも多数
Weeve (ドイツ)分散型IoT基盤
ケンタウロスワークス (日本)ブロックチェーンリーガルテック
クーガー (日本)AI×AR/VR×Blockchain

主催

  1. Blockchain EXE
  2. ルワンダ大学

後援

  1. 世界銀行

そして

朝から夕方までみっちりと組まれたプログラム

これだけの顔ぶれと内容が揃った。

失敗は許されないというプレッシャーが、最初の「正直、不安しかない」に繋がるのだが、結論から言うと、それらの不安要素は良い感じで取り越し苦労に終わった。

その代わり、事前に予想できなかった「ある問題」に我々は翻弄されることになる。

真面目で熱心、だけど・・・

これは初日に撮影した記念写真。

数えてみると写っているのは42名。このうち主催や登壇者が10名ほど。今回のワークショップは40名を超える参加者が集った。

・・・おや、数が合わない。

事前に予想できなかった我々を翻弄した問題。それは「時間にとてもルーズ」ということ。

前日の終了時に「明日は朝8時に必ず来てね」と言っても、翌朝8時に教室にいるのはほんの数名。8時半の時点でようやく7〜8割。全員揃うのは9時。

ランチタイムに「13時から午後のプログラムが始まるから早めに食堂から戻ってきてね」と伝えても、13時に教室へ戻ってきている人はほんの数名。むしろ13時を過ぎたことを確認してから更に「食後の休憩」を経てようやく戻ってくるような感覚。全員揃うのは14時。

このルーズさが「記念撮影するよと言ったのに人数が足りてない」という、もどかしい状況を招いた原因であることは間違いないだろう。

参加者は、PC操作ができてスマホを所持する、いわゆる現地でのアーリーアダプターなエンジニア達。ブロックチェーンについて独学で得た知見を持っている人もチラホラ。とても真面目に講義を聞き、わからない事は徹底的に質問してくる熱心さ。

ひとたび講義に臨めば真面目で熱心だが、そこに至るまでの時間のルーズさは、あの手この手でどれだけお願いしても最後まで整えることができず。

常に逆算して段取りする力が試され、ワークショップ期間中、幾度となくタイムテーブルの調整、場合によってはプログラムの変更が必要に。

書くと簡単に思えるかもしれないが、オンラインも含めて各登壇者の予定を確認しつつ状況を判断して臨機応変に調整。更に、突発的に起こる機材トラブルや不安定なネット環境の対応も加わるので、毎日もれなく、地味に(←ここポイント)バタバタし続けていた。

日本と異なる「なぜそこにブロックチェーンが必要なの?」

慌ただしかった裏事情はさておき。今回のワークショップの内容は、手前味噌だが、とても素晴らしく充実したものだった。

例えば、初日の午前中の流れをざっと書き連ねただけでも、こんな感じ。

  1. Blockchain EXEの活動紹介
  2. ルワンダ大学の教授による挨拶
  3. ConsenSysのサービスや仕組みの紹介
  4. アフリカで初めてブロックチェーンの講義を行ったカーネギーメロン大学ルワンダ校の教授登壇
  5. ACEIoTというアフリカのIoTプロジェクトを推進するルワンダ大学教授の登壇
  6. アフリカの抱える問題をブロックチェーンで解決するプロジェクトのTOPによる「アフリカと先端技術の相性」についての話


※今回の発案者である平手氏は、ワークショップでもブロックチェーンの持つポテンシャル・可能性について熱弁

驚くべきは参加者の熱量。講義がひとつ終わる度に、文字通り「止まらない勢いで」次から次へと質問が飛び出した。

ルワンダには勤勉な人が多いという噂通り、理解・納得できるまでとことん学ぼうとする様子で、ただでさえ時間にルーズなのに、質問攻めによる時間調整も必要になる嬉しい誤算。

ちなみに、質問の多くは

「なぜそこにブロックチェーンが必要なの?」

ブロックチェーンに関わっていると、日本でも同様の質問を受ける機会が多々あるが、その意図は大きく異なる。

日本は良くも悪くも「既に仕組みが出来上がっている国」なので、ブロックチェーンをわざわざ使う必要ってあるの?という「使わなくていい理由を探すため」の保守的な意味で質問している場合が多い。(経験則)

ルワンダの方々は「使う」が前提にある上で、ブロックチェーンによって何がどうなるのか「必要性を理解するため」の質問。この辺りは、先進国と途上国の大きな違いなんだろうなと感じる。

よく分からないからこそ理解したい

ルワンダは農産業がメインの国。国民の8〜9割は農業に従事している。第一次産業から順当にアップデートされて新しいものに触れてきた先進国と大きく異なり、第二次産業を飛び越えて、非物質的な第三次産業が他の国から持ち込まれている状況。

既存の仕組みに当てはめて考える(イメージする)ことができる日本と異なり、ルワンダではブロックチェーンは完全に得体の知れない仕組み。でも講義を聞いている限り、身近にある(仕事や暮らしに関わる)問題を解決することができるらしい。何がどうなってそうなるの?という感じで熱心に質問している印象。

ちなみに、現場で講義してくれた方とオンラインで講義してくれた方の区別無く、同じ熱量で質問する。更に、質問に対する登壇者の返答について、他の参加者が割り込んで質問するといった状況も多々発生。理解できるまで遠慮しない。

さすが、新しいことは積極的に理解して受け入れようとするお国柄。成長率の高さも納得。

でも、正直ピンと来ないものも

今回のワークショップでは、実際に動いているプロジェクトを中心に様々な活用事例が紹介された。

ブロックチェーンはどのように社会実装できる仕組みなのかを理解してもらうために、できるだけバリエーション豊富なプログラムを組んだのだが、正直なところ、参加者の方々にはピンと来ないものもあった。

例えば「AI」が絡んだものは「そもそも何なのか」の理解ができない様子で、他の講義に比べて質問が少ない状況だった。

ルワンダには娯楽が少なく、家庭のテレビ普及率も半分以下。首都キガリに映画館が1つあるが、所得が少ないため娯楽にお金を使う余裕もまだまだ無いとのこと。本を読む文化も根付いていない。ネットで情報を得る人も極々限られた一部の人のみ。

SF関連のコンテンツに触れる機会が無いからか、仕組み云々以前に「人間の手を離れている存在」というものが身近な何にも当てはめることができずにイメージが掴めていない模様。現時点では、ルワンダの人たちにとってAIはちょっと未来すぎる話だったのかもしれない。

とはいえ、さすが勤勉な国民性。理解はできなくとも興味は持ったようで、「お前たちの国(日本)では、いったい何が起こっているんだ?人間は大丈夫なのか?」と、複数名の参加者が真顔で熱心に質問したりで、その日のランチタイムは普段とは異なる角度でとても盛り上がった。

後編につづく

この記事を書いた人
鈴木祥文 / 株式会社クーガー
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