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ブロックチェーンが音楽業界を救う?ビットコインだけではないブロックチェーンの可能性

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はじめに

Fintechの領域でブロックチェーンの技術を活用できることが知られていますが、金融の他にも様々な業界が変化すると言われています。その1つとして、音楽業界でもブロックチェーンにより革新が起こることが期待されています。今回は、ブロックチェーンが起こす音楽業界の変化について説明します。

▼目次

  1. 音楽業界の課題
  2. 楽曲の使用ルールの明確化、申請の簡略化
  3. アーティストは実績を反映した対価を受け取れるように
  4. ライブのチケット販売を適正に
  5. まとめ

音楽業界の課題とブロックチェーンの応用の

ブロックチェーンの活用方法の前に、現在の音楽業界が抱える課題について整理したいと思います。

現在、音楽業界が抱えている課題は、大きく分けて以下の2点に集約されます。

  • 著作権保有者に裁量が少ない
  • アーティストに正当な対価が支払われていない

課題1 著作権保有者に裁量が少ない

著作権は、本来、楽曲や文章等が作成された時点で権利が発生し、その作成者に権利が与えられるものです。

しかし、現在の音楽業界では、著作権管理団体が音楽使用料等の管理を行い決定権を持っていることから、著作権保有者側の裁量が少ない構造になっています。自身の作品であっても、著作権保有者側で自由に扱うことができないのです。

課題2 アーティストに正当な対価が支払われていない

音楽は、作曲や演奏をしたアーティスト側に対価を受け取る権利があります。しかし、現在の仕組みでは、音楽の販売や配信等を行う仲介業者に依存する構造となっており、アーティストが受け取るべき対価から仲介料が引かれてしまいます。

そのような課題があるのならば、仲介業者を使わなければよいと思うかもしれませんが、まだまだ音楽業界は仲介業者への依存が高い構造となっています。ショップへの流通やメディアへのPR活動への影響力を考えると、仲介業者を使わなければ音楽を販売すること自体が難しくなってしまいます。

上記のような音業界の抱える2点の課題について、ブロックチェーンを用いることで解決への期待が持たれています。

ブロックチェーンによる楽曲の使用ルールの明確化、申請の簡略化

履歴が残るというブロックチェーンの特徴により、楽曲の使用ルールを厳格化したり、利用の申請を簡略化できるようになります。

既存のシステムでは、楽曲に関する履歴が残っていないことから、その楽曲に関する権利が誰のもとにあるのか把握できませんでした。そのため、楽曲を利用しようとすると、権利保有者を探す作業が必要になりました。

ブロックチェーンによる楽曲データの信用創造

ブロックチェーンの技術を使えば、履歴が公開されていることから、権利保有者を探す手間を省くことができます。また、公開されることで権利者が保護されます。

さらに、履歴情報の中に、楽曲の使用ルールに関する情報も記録すれば、受信者側も使用ルールを把握できます。トークン(証明)を付与して配信を行えば、ルールに反した利用を行うこともできなくなります。

楽曲の使用ルールをより明確化し、厳格に運用することができるのです。

これまで音楽業界では、著作権保有者側の裁量が少ないという課題がありましたが、このような使用ルールの明確化、申請の簡略化を実現することで、著作権保有者側の裁量拡大へとつながります。

ブロックチェーンを使って音楽家は実績を反映した対価を受け取れるように

ブロックチェーンには履歴が自動で残るだけでなく、履歴情報が参加者全員に公開されているという特徴があります。この特徴を音楽業界にも活用できると言われています。

既存の方法では、音楽を仲介業者を経由して配信する方法しかありません。この場合、仲介業者側には、誰に配信したかという情報が残りますが、音楽を作り、演奏したアーティスト側にはそのような情報が届きません。

また、楽曲の利用・販売に対する支払いは、仲介業者が売上を集計してからアーティストへ支払いが行われています。そのため、アーティストは自身で実績を把握することができず、楽曲の利用・販売実績に応じた公正な対価が支払われているか確認できませんでした。

ブロックチェーンは、履歴情報が公開されているため、アーティスト側も利用・販売状況を把握でき、実績に応じた公正な対価が受け取れます。

アーティストは仲介業者の集計を待つことなく、音楽の利用・配信後即時に支払いを受け取れるようになるのです。

ブロックチェーンがライブのチケット販売を適正に

ブロックチェーンがもたらす変化は音楽利用や配信だけではありません。音楽業界の主要なビジネスの一つであるライブやコンサートにも変化をもたらします。

P2Pでアーティストとファンを繋ぐ

アーティストがライブやコンサートを開催する場合、基本的に仲介業者を介してチケット販売を行う必要があります。そのため、アーティストは自身でチケット価格を設定できず、販売実績の情報も把握できません。

ブロックチェーンにより、チケットを金券のようにして管理できれば、情報が公開されているため、これまで仲介業者によって管理されていたチケットの取引実績を、アーティスト側でも把握できるようになります。

また、チケットをデジタル通貨として発行すれば、市場を介してチケット価格は需要に応じたものに設定されます。これまで一定の価格に据え置かれていたチケット価格が需要に応じて変動するようになり、需要の多いチケットであれば高額な対価を受け取ることも可能です。さらに、仲介業者に手数料を取られることなく、アーティストが売上を直接受け取れます。

アーティストは、自身の価値をより的確に把握し、適正な対価を受け取れるようになるのです。

まとめ

今回は、ブロックチェーン音楽業界に活用した場合に起こる変化について記載しました。今回記載した変化は、一部にすぎません。ブロックチェーンが普及すれば、より多くの産業分野で変化が起こることでしょう。

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