第三回ブロックチェーンイベントのレポート

こんにちは!

渋谷ヒカリエにてBlockchain EXE ミートアップイベント#3を開催いたしました。第1、2回に続き今回も現場でブロックチェーンに携われている方々の生の声を聞く事ができる大変貴重な機会となりました。

今回のイベントのテーマは「ブロックチェーンの仕組みと個人情報 ー最新動向とデーター」です。このテーマを中心にブロックチェーンの概念や仕組みについてやブロックチェーンが作る新しいビジネスの可能性など様々な視点から沢山お話をいただきました。

セッションの内容は以下の通り

▼目次

  1. 「ブロックチェーンとデータの課題と方向性」 / 石井 敦
  2. 「ブロックチェーンの研究動向–セキュリティーとプライバシー」 / 清本 晋作
  3. 「ブロックチェーンのデータ構造とアクセス制御」 / 大竹 祐貴
  4. 「Ethereumを活用したAIを成長させる分散型アプリケーション」 / 本庄 智也

1.「ブロックチェーンとデータの課題と方向性」

最初の登壇者はEXE代表である石井敦さんです。石井さんはライコス・インフォシーク・楽天の大規模検索エンジン開発やオンラインゲーム開発プロジェクトの統括や進行に関わった後、ホンダへのAIラーニングシミュレーター提供、NEDO次世代AIプロジェクトでのクラウドロボティック開発を行っています。

OnchainとOffchainについて

今回のトピックはブロックチェーンで扱うデータの課題についてです。ブロックチェーンの2種類の実行の仕方、onchain、offchainという2つのキーワードが挙げられ、それから双方のメリット、デメリットについて言及していただきました。ブロックチェーンに何のデータを組み込み、一方で組み込むべきでないデータを具体例に交えながら、ブロックチェーンのデータ構造における課題についてもわかりやすく解説していただきました。

それでは続いてのセクション

2. 「ブロックチェーンの研究動向–セキュリティーとプライバシー」

2つ目のセクションではKDDI総合研究所で情報セキュリティグループグループリーダーとして、ストリーム暗号、暗号プロトコル、プライバシー保護技術等の研究に従事されている清本 晋作さんにご登壇いただきました。”セキュリティー”と”プライバシー”という2つの大きなトピックについての内容で、最新の研究動向をふまえながらお話しいただきました。

ビットコインとブロックチェーンの基礎

最初のスライドではブロックチェーンが非中央集権型の分散型ネットワークである点、トランザクションを電子署名により台帳に追加することで、ブロックの改ざんを防止できる点、またその技術をもちいて取引履歴をブロックチェーンの中に組み込むことによるビットコイン取引への活用という点、などの重要なポイントをわかりやすく解説頂きました。

最近の研究のトレンド

そしてproof-of-workによるマイニングが実質的に情報を偽造する事の防止になっている仕組みについて学び、最後に最近のブロックチェーン研究のトレンドである、安全性評価・攻撃、コンセンサスアルゴリズムの改良(ブロックチェーンの高速化及び安全性証明)、プライバシー保護についての説明がありました。Proof-of-workの代わりとなるアルゴリズムの説明に関して勉強できる情報源はまだ少ないため、大変貴重かつわかりやすい解説でした。

3.「ブロックチェーンのデータ構造とアクセス制御」

3つ目のセクションではトライデントアーツの大竹祐貴さんにご登壇いただきました。

このセクションでの主なトピックはアクセスコントロールについてでした。

アクセスコントロールが大事!

ブロックチェーンのデータは基本パブリックで、誰にでも参照可能で、追加も可能です。ただ扱うデータによっては、誰にでも参照されたら困るものもあります。そこで大竹さんはnodeとData二つの側面からなるアクセスコントロールについて説明してくださいました。

Solidityでの実装

そして最後には実際にSolidityでアクセスコントロールのコントラクトコードを記述し、コードの説明を交えるという実践的な内容となりました。


4.「Ethereumを活用したAIを成長させる分散型アプリケーション」

最後はリクルートライフスタイルより本庄智也さんにご登壇いただきました。本庄さんはAirレジプロジェクトや海外進出のプロジェクトの立ち上げ後、リクルートライフスタイルでブロックチェーンのR&Dを担当されています。

こちらのセクションでは、AIとブロックチェーンの融合、及びその可能性に関して現場開発の生の情報も踏まえながらお話しいただきました。

AI x Blockchain

本庄さんが設計されたDapps(分散型アプリケーション)に関して、なぜDappsを開発をしているのか、またどのような仕組みなのかについて詳しくお話しいただきました。ブロックチェーンによる分散型ネットワークとAIにおけるトレーニング設計はお互い非常に相性が良いという点で、これからますます「AI×Blockchain」が絡んだサービスが作られていく可能性があります。

ブロックチェーンでマイニングする際、コミュニティの参加者が増えれば増えるほどかかるコストも大きくなってしまうという現状の課題における解決策など中々聞けないお話しをしていただきました。ブロックチェーンはまだまだ発展途上の技術であり、大きなポテンシャルを秘めた技術であると改めて感じました。

ディスカッション ブロックチェーンとデータについて

すべての発表が終わった後は石井敦さん、本庄智也さん、清本晋作さんによる、ディスカッションが行われました!質問者との意見交換により、一層理解が深まるセクションとなりました。

懇親会 ブロックチェーン関係者らの気軽な意見交換場

イベント終了後は様々な意見交換のための懇親会もあり、イベント参加者間で軽食を楽しみながら様々な情報共有を楽しめました。このようなコミュニティを通じてブロックチェーンをますます発展させていきたいと思います。

ライトニングトーク IOTA

また、懇親会の最中にはEXE恒例のライトニングトークが行われます。今回はIoTと深い関係のある「IOTA」に関する解説を藤本健太さんにしていただきました。イベントの開始から最後まで内容盛りだくさんで、実に中身の濃いミートアップイベントとなりました。ライトニングトークは毎イベントで募集しておりますのでイベント予約の際にお申し下さいませ!

おすすめの記事