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【Blockchain EXE Presents #2イベント】データ活用とIoT×ブロックチェーンの役割

投稿日:2019年4月19日 更新日:

【Blockchain EXE Presents #2イベント】データ活用とIoT×ブロックチェーンの役割

目次

技術の進歩と法律規制との乖離

石井:仮に、センサーがものすごくついて、AirbnbとかUberみたいなことが、本当にディセントラライズで実現できたときに、技術的にはできるけれども、そのときの法律面との乖離があるのではないかと。そのあたり、河崎さんがまさに行っていますが、技術的に進んでいくと、法律面や地域でも規制がかかっていったりとか、そこの差がどうなっていくのかなと。

河崎:すごく大きなテーマだと思います。直接的な答えになっているかは分からないのですが、ブロックチェーンとかAIとかIoTは、アーキテクチャの力がすごく強まっているな、と。法というのもひとつの世の中を切り取る力だと思うんですけれども、その法とアーキテクチャの力の割合というか、力関係がアーキテクチャ優位になってきているのかな、と。

法律を超えアーキテクチャとして問題解決していく

河崎:例えば、あるDV夫がいます。そのDV夫に対してDV保護命令っていう法の力で『100m以内に近づいたら罰金だよ』って言うよりも、壁を作ってそのDV夫を隔離してしまったほうが確実なんですね。これが分かりやすいイメージのアーキテクチャの力で、そういう意味でいうと、ブロックチェーンやAIやIoTをどんどん絡めていけばいくほど、あらかじめ排除される人がでるというか、選択肢として用意されないので。法っていうと、行為規範として人の行為自体に対して命じるものですけども、そうではなくて、アーキテクチャとして既に解決してしまう、みたいな。

河崎:さっき言ったスマートコントラクトみたいなものっていうのは、実は法律的に見ると、スマートコントラクトの実行結果と、本来あるべき権利の実現状態が違うということが頻繁に起こりうるわけです。けれども、是正ができない。ものすごい権力みたいなものが今、生まれつつあるのかなっていう感想を持っています。そのアーキテクチャみたいな、テクノロジー側の力がかつてのものより増大しているなと思っています。だからどうだ、っていうのは、なかなか大きな話になっちゃうんですけども。

堀口:今の話もすごく刺激的ですよね。日本は法治国家で、法によるガバナンスがあるから、みんな良いことをするんですよね。それがだんだんアーキテクチャ側に振れていくっていう話を聞いたときに、ユダヤ人も同じことを言っていたんですよね。IoTのデバイスからくるデータの信頼度、いわゆるオラクル問題のことですが、『どう解決するの?』って言ったときに、『いやいや、変なことを言ったらコイツの信用度を下げる』って言うんですよね。例として言えば、あと10年もすればスマホってなくなりますよね。たぶんあのドラゴンボールのスカウターみたいに装着して、例えば河崎さんを見たときに、『なんか信頼できそうだから、僕の荷物を河崎さんの家の近くに送りたいから持って行ってください』みたいなお願いができますよね、きっと。でも一方で、石井さんを見ると『なんか怪しそうだよね』みたいな。で、信頼度の数値が2とかだったら、この人には預けないだろうと。この信頼度みたいなものって、IoTからくるデータですよね。自分のバイタルデータが仮に信頼に繋がるとしたら、ちゃんとしたことをしないと、IoTから来るデータも全部吸われて、IoTからくる正しくない情報を出したIoTや人間が信頼度を形成できない、みたいな。

信用スコアリングと人権

河崎:おっしゃるとおりで、データの信頼性っていう話を突き詰めていくと、そのデータを登録した人の信頼性や、データを登録したアーキテクチャの信頼性っていうことになりますよね。そうすると、そこに対して何らかのマーケット的な観点も入れていくと、その人に対してスコアリングしていくっていう、信用の話みたいな感じになってきますよね。ものすごく精緻に組み立てられたシステムで、基本的にはそっち方向に行くんだと思うんです。そっちの方が力があるから。ただ本当に、その先に実現する社会はどうなんだ? っていうのは、弁護士の立場としては、人権とかの観点からしてどうか、って思いますよね。

石井:この話ですごいポイントがあったと思うんですけど、法律もアーキテクチャの一部だと思いますし、システムのアーキテクチャとか、そういうものもあって、何らかのルールがある。そのルールが、中央集権がやっているような場合はどこかが決めている状態であると。今後IoTで無数のデバイス、家電とか車とか、そういうものから出てるってなったときに、どう分散するかっていうような話ですよね。アーキテクチャと分散という2つを両立させるには、やっぱりインセンティブコントロールとかになると思うんですよね。先ほど河崎さんがおっしゃった、『DV夫に近づかない』みたいな話ではありますけど。ビットコインが上手くできているのは、ハッキングする労力よりもマイニングする方がいいと選ばせたわけであって、そうするとやはりIoT化での新しいアーキテクチャとなるっていうところですよね。そういうインセンティブ設計みたいなところはきわめて重要なんじゃないかと考えていまして、堀口さん、その辺りはどうですかね。

堀口:そうですね、コレ作ったらすぐ上場できそうですよね。っていうくらい、やっぱり難しいし奥深いですよね。で、やっぱり手触り感があるものってまだあんまりないですよね。パーソナルデータを提供することによって得られる便益って、実はまだ世の中的にもすごく少ないんと思っています。我々スタンドアップとしては、自分の情報を情報銀行に預けるとなにかみんなが良くなるような仕組みを目指しています。

一般消費者のニーズに即したブロックチェーンユースケース

堀口:今って引越しのシーズンですよね。住民票を、渋谷区から世田谷区に移したたとして何が起こるかっていうと、例えば銀行の口座情報を変えなくちゃいけない。クレジットカード登録の住所もアップデートしなくちゃいけない。めんどくさいですよね。でもユーザーが自分のパーソナルデータ、『私はこの日に○○から××に引っ越しました』っていう情報を公開すると、自分の持っている会員情報サービスが全部変わってくれたら、すごく便利じゃないですか。かつ、企業側も会員情報のメンテナンスってすごく大変ですよね。古ーい情報も残っている。仮に、そういうものをブロックチェーンみたいな改ざんできない証明書をつけて、みんなでコンソーシアムでシェアできて、常に最新の状態になるっていうのであれば、僕ならおそらく情報提供するなと思います。弊社はこういうサービスをユースケースと、具体的なお客さんの座組みを作って、今何個か実証実験をやっています。その結果どんな風にインパクトがあるのかなって、検討したりしています。

石井:おそらく個人の情報提供に対するインセンティブがあって、それがエンジンとなって回る、みたいなところですよね。かつ企業のインセンティブはどう発生するのかっていうと、平山さんどうですかね。企業が込み入った情報を出すインセンティブ。

鍵を握る”オープン化”

平山:これインセンティブ設計全てに関わってくると思うんですけど、歴史を辿るとインターネットから始まりますよね。最近だとインテルのAPI開放、まさにあれも元々AmazonとかeBayとか、先端的なWeb系の会社がAPI公開した。当初は重要なデータをAPI開放してどうなるのかっていう議論があったと思うんですけれども、それによって逆に使われるケースが増えた。逆にAPIを開放してしまえば、そこから手数料を取ろうと思えば取れるわけですよ。1からAmazonと同じような仕組みを作り上げるよりも、API使ってAmazonの仕組みを使ったほうが、インセンティブが働いて上手く動くっていうところがある。

平山:IoTに関しては技術的に2つの路線があって。クラウド側に全部寄せてしまうクラウドアーキテクチャと、エッジコンピューティング、全部クラウド側に寄せると結構アレなんで、エッジ側である程度消費させて、というもの。クラウド対エッジみたいな話がアーキテクチャ的にはあるんですけど。これも完全にインセンティブ設計ですね。エッジ側はデバイス側のメリットがありますし、クラウド側であればクラウドのメリットが出るっていうことで。どっちがニーズに合っているかっていうところですね。

平山:河崎さんの話はまったく同感で、アーキテクチャ主導というのは本当にそうでして。特にデジタルってこの数年で技術の進歩が本当に早い。法律が追いついてきていないというか、技術に合わせて法律を作っている感じになっています。昔はある程度、規制とかルールがあって、それに対してシステムを作っていた。今はもう、技術が出来上がっていて、コレに対して仕組みをどう作るかっていう感じで、技術が先になっている。特にブロックチェーンのパブリックとかまさにそうで、ブロックチェーンが仕組みとしてワークしちゃっている。それに対して、資金決済法だとか、金融商品取引法とかがどう使われるかと。。

データ・ドリブンの仮説思考から生まれる技術、法律

平山:研究の分野でもそうなってきていて、昔は仮説を立ててから実験するっていうのだったのが、今はもうデータがたくさんあるから仮設が自動的に作られる。逆説的に研究をしているケースも増えています。技術先導で、後から仮説なりルールなり法律なりが色々できていくっていう感じに、この一年ですごく変わってきたな、と思います。

石井:そうですね、だからこそIoT…っていっても色々ありますけども、基本的には機密データになるようなものが多い。そういうものが公開されてどう使われるか、というような話になってくると思っています。河崎さん、そのデータを公開するモチベーションなどについては?

河崎:私がすごく分かりやすい例だと思うのがエストニアの話。病院のカルテとか診療のデータがクラウド上に存在していて、ブロックチェーンで書き込まれている。自分がどの医者に見せるかというのをコントロールできるわけです。究極の自己情報コントロールえですね。基本的には、全世界に公開しているような話ではあるんですが、自分の手術をする執刀医には、一番正確なデータを知っておいてほしい。そういう形でブロックチェーン上に信頼できるデータというのが蓄積していて、自分の便益となる、自分が手術を受けるときにベストなサービスを受けられるように使いたい。こういうユーザー主導型というか、消費者主導型みたいなのはひとつあると思います。

河崎:もうひとつは、そのデータを欲しい側。企業側・サービス提供者側は、何らかのベネフィットを与えていくということで、トークンエコノミーみたいなものと組み合わさっていくのかなと。ここのデータセットを使ってもいいけど、使ったらいくらかくれよ、と。そうするとスマートコントラクトで、自動的にデータが稼いでくれるわけですよね。

河崎:これまでは人間しか、何か財貨を保持してそれを運用することができなかったのが、スマートコントラクトによって意思を形にして、それが勝手に動いて稼ぐことができるようになる。自分の時間がその財貨の保持主体となって、勝手に自分がいないときに収益を得ることができるようになる。そういうような観点からすると、データそのものが収益をトークンエコノミーの中で享受する、というのが2つ目のパターンです。

河崎:3つ目があるとしたら、GAFAに対する怒りですよね。『お前ら全部独占しやがって』みたいな、そういうところに対する怒りが、自分でコントロールできる形でデータ活用っていうところに一番繋がっていく可能性はありそうな気がしますね。

石井:先ほどの河崎さんの話に近いんですけども、身近な例で言うと、自転車や車などのメーカーからすると、自社製品がどれだけ壊れにくいのかとか、どういう道路を走っているかとかのデータは非常に欲しいわけです。一方で、乗っている人からしたら、プライバシーに直結するようなデータでなければそれを公開することでお金に変わるなら非常に良い。そういう形で、家電であったり車であったり、IoTのデータを個人としても公開することで収益になって、そのデータを集めて集計してビッグデータとして統計を取ることで、メーカーがより優れたものを作るとか。

石井:医療に関しても、たまたまぱっと行った病院とか、そこの病院にあるデータが少ない場合は、結構リスクが高い。でも、どこの病院に行っても、世界中の同じようなレントゲンのデータが個人情報が切り離された状態で集まっていれば、大病を見逃すようなリスクが少なくなる。そういう方向に進んでいくべきなのかな、と思っているところはあります。

石井:では、会場で質問のある方は、ぜひお願いします。

質問:個人の資産、遺産相続などに関する使い方もあるのでは?

河崎:おっしゃるとおりだと思います。遺言というのは、今は公正証書という公の権威に基づいたものを作らなければいけない、もしくは本当に手書きで様式に基づいていなければいけないこの部分が緩和されると、ブロックチェーン上に残すというのが極めて自然になってくると思います。かつその遺言、自動で執行することができるようになる。例えば遺産をすべてビットコインで持っていたとすると、死亡届が出た瞬間にそれを自動で振り分けて執行できるわけです。

質問:それに関連して、例えば愛人が最期を看取る前に色々書かせてしまうとか、そういうことも防ぐことが出来るようになりますか

河崎:それは工夫の仕方だと思いますね。例えば、複数の人が認証することによって執行されるような仕組みは当然できますし。

堀口:愛人問題とかじゃないですけど、執行する時に必ずマイナンバー登録をしてください、とか。それか、マルチシグっていう技術があるんですけれども 5人のうち3人が認めないとこのスマートコントラクトが実行できません、というような技術とかもあります。後は、エスクロー口座みたいなものを作っておいて、そこに一旦自分のその資産を預けて信託した上で、コントラクトはマルチシグみたいなもので動かすこともできます。さっきの、まさにアーキテクチャの話ですよね。法というよりはアーキテクチャで解決できちゃうと。

河崎:遺言のすごく大きな問題ですが、遺言を書いても発見されないことが結構あるんですよ。せっかく作っても意味がないということがあって。例えば老人の方に何かしらセンサーデバイスをつけてもらって、『この人24時間生体反応ないな』ってなったら、そこで我々弁護士や、お医者さんとかに連絡が来るという方法もありますね。

石井:こちらでディスカッション終了となります。ありがとうございました。

まとめ

ブロックチェーンのメリット・デメリットをふまえて、最終的にはユーザーのニーズにこたえなくては使われるサービスにはならないというお話でした。5GやGPU/TPUの普及や低コスト化などによってIoT分野はますます加速していく産業です。その中で様々な角度から実用における議論が行われ、大変貴重なディスカッションになったのではないでしょうか。

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