ビットコインとビットコインキャッシュは名前も似ていて、どちらも仮想通貨であることから、両方の違いがあやふやになることがあります。そこで、今回はビットコインとビットコインキャッシュとはどういうものなのか、違いは何なのかについて紹介します。
ビットコインとは
ビットコインは仮想通貨の種類の1つです。ビットコインの単位は、BTCと表記されます。1円や1ドルのように、1BTC(1ビットコイン)と、数えることができます。
ビットコイン は仮想通貨の筆頭格であり、仮想通貨の中で最も時価総額が高いです。金融機関を仲介することなく、個人間で取引でき、24時間どこにいても制限なしに送金を行うことが出来ます。
また、金融機関などの管理者がいらないデジタル資産であるビットコインは資産の避難先としても注目されています。そのため、ビットコインを用いたマネーロンダリングに対する懸念もあります。
ビットコインキャッシュとは?
ビットコインキャッシュは2017年8月1日、ビットコインから分岐(ハードフォーク)して誕生した仮想通貨です。発行以来、時価総額上位に継続してランクインする人気の仮想通貨のひとつであり、2020年2月時点での時価総額は4番目の大きさとなっています。
なぜビットコインキャッシュが誕生したのか?
前述のとおり、数々の問題を解決するために誕生したものです。ビットコインは様々な問題を抱えていましたが、この問題のメインはビットコインが抱えていたスケーラビリティの問題です。
スケーラビリティ問題とは、仮想通貨に欠かせないブロックチェーン技術において、1つのブロック内に記録できるデータ(トランザクション)の容量が限られていることから引き起こされるトラブルのことです。
データ容量が限界を超えるとサービス内の処理速度が低下し、送金が遅延してしまいます。ビットコインのブロックサイズ内トランザクションは1MBです。
1MBではすぐにデータ容量が限界に達してしまいます。そこでビットコインキャッシュでは、ブロック内のトランザクションを32MBにしてサービス内の処理速度をスムーズにしました。また、手数料も安くしてビットコインよりも使い勝手のいい仮想通貨になることを目指しています。
ビットコインキャッシュとビットコインの違い
ビットコインとビットコインキャッシュの違いは様々ありますが、今回紹介する違いはブロックサイズのことと取引内容の記録様式のことです。
- ブロックサイズのトランザクションの大きさ
前述のとおり、ビットコインキャッシュはビットコインが抱えるスケーラビリティ問題を解決するためにブロックサイズを1MBから32MBに拡大しました。
ビットコインは1MBのままです。これにはそれぞれわけがあります。
ビットコインが1MBにしている理由はブロックサイズを拡大することによって起こりうる問題を危惧しているからです。
ブロックサイズのトランザクションを拡大することは、必要なハッシュパワーが増えてデータ処理の時間がかかることにつながります。
この問題によって、規模が大きく融通の利いたマイナーが優位な立場になり、一部のマイナーの取引承認と仮想通貨の新規発行が急速に多くなります。
そして起こりうる問題が採掘(マイニング)の寡占化です。また、ブロックサイズを拡大することは、情報セキュリティの継続力を損なう攻撃(DDoS攻撃)などのセキュリティリスクもついてきます。
このような問題を危惧してビットコインは1MBのトランザクションに抑えています。
- オンチェーンとオフチェーン
オンチェーンとは、送金や取引などのデータをブロックチェーン上に記録させるものです。一方、オフチェーンとは、一定数の送金や取引のデータを1つにまとめて、その直前と直後の状態だけをブロックチェーン上に記録するものです。
ビットコインはオンチェーンを導入していて、ビットコインキャッシュはオフチェーンを導入しています。この取引データの記録方法にそれぞれ違いが出ていますが、これにもわけがあるのです。
オフチェーンはオンチェーンの問題点を解決するために開発・導入されました。ビットコインのスケーラビリティ問題を解決し、送金の遅延をなくし手数料が安くなります。
しかし、オフチェーンは取引の結果のみを記録するので、匿名性が高まりオンチェーンに比べてセキュリティ面で懸念があります。
独自に取引履歴の管理やハッキング・改ざん対策をしないと安全性は担保されません。一方、ビットコインのオンチェーンは取引の結果だけではなく、途中経過も記録するので、安全性が高いのです。
ビットコインとビットコインキャッシュの時価総額の違い
ビットコインキャッシュ 時価総額 709,270 BTC 6,865,922,370USD
ビットコイン 時価総額 18,227,759 BTC、176,449,668,586USD
(2020年2月23日時点)
ビットコインキャッシュとビットコインの時価総額から市場規模がわかり、過去の値動きを読み取ることができます。
現在、仮想通貨の時価総額ランキングではビットコインがダントツの1位となっており、ビットコインキャッシュは4位です。しかし、ビットコインキャッシュは2017年からサービスが始まったもので、急速に伸びてきたと捉える事もできます。今後、技術的な課題がアップデートを繰り返していくに従って、仮想通貨取引が一般化されていく事が期待されます。
まとめ
- ビットコインとビットコインキャッシュの違いはブロックサイズのトランザクションとオンチェーン・オフチェーン
- ビットコインキャッシュはビットコインの弱点を埋めるために開発された
- ビットコインの時価総額は仮想通貨の中で1位でビットコインキャッシュの時価総額は4位と両方とも仮想通貨の中では巨大プロジェクトとなっている