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ディスカッション: ブロックチェーンが作り出すシェアリングエコノミーについて

投稿日:2018年2月5日 更新日:

ディスカッション: ブロックチェーンが作り出すシェアリングエコノミーについて

登壇者によるパネルディスカッション

Q:ブロックチェーンとシェアリングを考えた時に、主に使う側としては非常に素晴らしい仕組みだとは思うんですが、作る側を考えた時に、パブリックブロックチェーンの命令のない世界で実際に車や飛行機といったものを作ることはできるのだろうかという点についてどう思いますか?

A:いきなり難しい質問ですね(笑)ものを作ると言っても全てのものを自力で作る事は意外とないと思います。例えば我々はソフトウェアを作る際、結構オープンソースを使っています。皆さん今 OSSを無料で使っていると思うんですが、その辺りの正当な対価の支払がブロックチェーンで浸透することで本当に必要なものに対価が支払われるということになると思うんです。

つまり、物を作るときも同じで、知識がオープンソース化されていれば、それを組み合わせて車も作れると思いますし、その知識に対する対価が適切に払われるのは理論的には可能だと思います。ただし理解がそこについていかないといけないという条件付きです。

Q:結局モチベーションデザインやゲームセオリーというものがパブリックブロックチェーンにおいて重要だと思うんですが、その辺り篠原さんはどう思いますか?

A:僕は新しい建造物や新しい何かを作るというところは AI が自律的にやってくれると思います。その時に一番必要なのは人間がどれだけビジョンを提示できるか。分散型社会で一番重要なのは、夢を語れるかということです。

例えば野菜のトレーサビリティを高めるために僕らは野菜を届けるということをやっているわけですが、僕らが最初に提示しているビジョンとして、農家のおじいちゃんの労力を AI にして、「おじいちゃんが頑張って米を作ったおかげで、あそこの人の癌が治った」という事を完璧なトレーサビリティを実現する事で子孫にライセンスを残せるまでにしたいのです。米を作る時に大量の人がお金をもらって働くのではなくて、そのおじいちゃんの考え方をブロックチェーン上に記録して、おじいちゃんのクローンが大量に田んぼを耕す事になっていく。なので今の質問に対する答えはAIがそこはやっていくと思うので、人間はビジョンやアイデアをブロックチェーンに残していくべきだと思います。

A:石井さんの言ったようにインセンティブ設計をする事で、IoT のみならず様々なものが作れるのではと思っています。そして、まずはそれを人間が作っていくと思います。その中で人々が共感して繋がることで、コミュニティの中で自律的にものを作るなどの動きが生まれていくのではと思っています。

Q:シェアリングエコノミーを作っていく上で常に ID という問題が発生すると思うのですが、特にブロックチェーンの場合は鍵をなくしてしまうとその先の責任を自分で負うことになります。銀行であれば生年月日や名前がわかれば、本人だろうと管理者側で再認定してくれると思います。ブロックチェーンでIDをなくした際、今後シェアリングエコノミーでどのような解決をしていくのでしょうか?

A:IDの再発行はできなくなるのではないかと思います。まだ回答は出ていませんが私は生体とデバイスが紐づくことでIDが保たれていくのではないかと思っています。そうすることで悪い事をする人は駆逐されていき、いい人だけが生き残る。そのような世の中になっていくのではないかなという仮説を持っています。

Q:篠原さんの話で300億のデバイスになり、人間はせいぜい70億という形になってきた際、マシンの ID を発行する側がそもそもいるのかいないのかや、各マシンが行動のトレーサビリティの中で不正な動きをしているマシーンとID認証の問題など、そこに対する解決策はお持ちですか?

A:Dの件、まさにsiviraで取り組んでいるのですが、 300億、500億、1兆デバイス時代に IP アドレスが機能するわけがありません。だからこそブロックチェーンが必要だと思ってます。

またそれを紐づけるというところで言うと、僕は生体の紐付けは簡単に偽造できると思うので、ゴーストに紐づけるべきと思っています。

Q:魂的なものですか?(笑)

A:そうです。そこをIDと承認するのは難しいんですけど、僕のアイデンティティを証明するにはそれしかありません。

おそらく僕は20年後30年後に100人ぐらいにコピーされているはずなんですよ。その時に僕とそのコピーはどのように違うのかというのを判断するのは、ゴーストしかいないと思います。体は乗り換えているはずなんで。

Q:ゴースト認証は結構大事なんですね。もしかして、大きなリリースがでるのはゴースト認証の事ですか?(笑)

A:魂を判断するために妖怪ウォッチと提携とか?

会場笑

A:siviraが最初に作ったプロダクトがある意味その未来を考えていて、SoulGemというアプリなんですよ。これは結婚証明書です。国が違うから、年齢が違うから、性別が同じだからといって結婚できない人がたくさんいます。ブロックチェーン技術とか、フィンテック技術とか言う前に目の前で泣いてる人を助けようということが僕たちの考え方で、同世代で結婚できなくても、ブロックチェーン上では結婚できるんですよ。「僕たち人類が全員死んでも、この世界に一台でもノードが残る限り、俺たちの愛は永遠だ。ブロックチェーンに愛を刻もう」というのがドラマで流行ってほしくてリリースしました。流郷さんに作ってもらって一週間後に僕が iPhone にインストールして驚愕だったんですけども、ブロックチェーンのトランザクション機能を上手く使って、元カレ元カノを全部見れるようになっているんですよ。結果Apple Store で一番誰も使わないアプリになりました。

会場笑

A:これがまさに一つの例です。改ざんできないことの方がメリットがあるべきで、ゴーストレベルで僕の行動履歴がすべて記録されていて、それに対して第2第3のサービスを巻き込んでいくという風にしたいです。そしてパスワードというめちゃくちゃ古い仕組みをこの世から駆逐されるようにゴーストレベル認証ができるようになるべきだと思います。

Q:シェアリングエコノミーにおいて日本と韓国の違いはありますか?

A:ほぼ同じだと思います。

会場からの質問

Q:ブロックチェーンで記録した時に、手戻しをしたかったり、プライバシーのぼかしをしたいなどあると思うのですが、うまい解決策はありますか?

A:まずブロックチェーンなので手戻しはなしです。全部情報を見せていいのかという議論は当然あると思います。そこには二つ方向性があって、一つはオンチェーンとオフチェーンを使い分けて、入れるべきものを分けるというやり方。

もう一つはブロックチェーンに入れた状態でプライバシーコントロールをするというやり方です。オンチェーンとオフチェーンを使い分ける場合、オンチェーンにハッシュ値のみいれて、オフチェーン側はブロックチェーンと関係ない。弱点としては紐付けがとれてしまうとブロックチェーンを使う意味がないのではという話になります。オンチェーンに関してはブロックチェーンに入れて、その上でプライバシーコントロールするので許可されていない人は見られません。ただし、ブロックチェーンなのでデータは永遠に残ります。データが入っていて、いつか量子コンピューターでそのデータが解析されるのではないかという心理的不安は残るかと思います。

A:プライバシーを守るという考え方がそもそも旧世代で、すべて公開が当たり前になるべきです。先ほどの結婚アプリでいうと、元カレ元カノを知らないで結婚するというのはつまり良いリコメンドできませんよという事じゃないですか。

Amazon毎回ログアウトして買う人いますか?記録を残して、リコメンドが当たり前になっていると思うのでサトシナカモトが言うようにすぐに個人情報を守るという常識はなくなると思います。「昔の人は個人情報守っていたんだ。なんで?」「あの頃は個人情報を見られたら恥ずかしかったんだ」っていう風な時代がくるかと思います。なのでそっち(公開が当たり前である)の方向に洗脳した方が早いと思います。

A:ちょっと似た感じですが、Facebookが出た当時は実名制のサービスに多くの反対があったわけです。それが今では当たり前のように「1週間旅行いきます」って投稿するのが当たり前になりました。そんな感じで色々変わっていくと思います。

Q:パブリックブロックチェーンによる中央集権化の排除というものとプライベートによる管理されたブロックチェーンの方向性が真逆に感じるのですが、その辺の方向性はどのようになるのでしょうか ?

A:僕はパブリックというのは公共財かなと思っています。ここに書くということは全世界に対して宣言できる状態ということなので、書けるものだけ書けばいいと思います。先ほど、情報を全部公開しちゃえばいいじゃんという話もありましたが、すぐにはできないと思います。

公開できない情報はプライベートを使うという話もあるのですが、ブロックチェーンに記録する以上、消せません。なので、消さなければいけない情報も世の中にある中で、記録する情報の境目を分ける事が一つの考え方だと思います。

Q:ビットコインはPoWを用いていますが、最初はそのやり方が正しくても、途中からより良い意思決定のやり方に進化していくと思います。それを進化させていくための意思決定の仕組みや世界の民主主義の意思決定の進化の仕組みはどうなっていくのか、何かアイディアはありますか?

A:そのためのハードフォークとICOだと思っています。ビットコインという単一通貨が世界を支配するということが旧世代的でビットコインは思想に従ってハードフォークするべきだし、それぞれの思想に従って別れるべきです。要は分散化社会が大事なのです。あなたと同じ価値観の人がクラスに一人いるかいないかというのが過去の価値観で、これからはあなたと同じ価値観の人が地球に何万人いるかということが明らかになる時代です。ロングテール化とも言いますが。小さなsocietyの集まりになっていくのが分散型社会になわけです。その中でヒエラルキーはあると思うし、上がいれば下もいるべきだと思います。それぞれの思想に基づいて、独自の通貨、独自の経済圏が形成され、そのためのハードフォークやICOが行われ、バランスが取れていきます。

ブロックチェーンはまだまだ進化すると思います。これはテックスタートアップです。まだまだ変わるに決まっているんです。インターネットも20年前こんな形ではなかった。今後ブロックチェーンの未来がどうなるか誰にもわかりません。

A:ブロックチェーンの現状の問題として、バージョンアップ問題は確かにあります。上に乗ってるサービスはだいぶ変わりましたがインターネットがすごいのは根本的な仕組みはあまり変わらずに自らバージョンアップをしているという点です。走りながらエンジンを変えているイメージです。今から一か月、インターネットが全部止まりますということはなかったわけです。ブロックチェーンに関してはコンセンサスアルゴリズムの変更やバージョンアップというものが起きますが、それこそがブロックチェーンの特徴であり、今後多様化していき、また繋がってというようなことは起きていくかと思います。

まとめ

今回のBlockchain EXEも非常に白熱した議論が繰り広げられました。変化が激しい今だからこそ、ブロックチェーンで広がる未来は無限であると同時に、現状の課題を見極めていくために有益な一次情報を取ることは重要でしょう。

Blockchain EXEでは毎月のミートアップに加え、ホワイトペーパーや実際に実装する勉強会などがあります。是非peatixをフォローしていただければと思います。

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