Ethereum Fintech エンジニア ブロックチェーン 勉強 基礎

代替不可能(Non-FungibleToken)なERC721トークンによるEthereumの新たな可能性

投稿日:

Ethereum上のトークン規格

2018年1月時点、時価総額2位の仮想通貨です。Ethereumはプログラムをブロックチェーン上で実行できるプラットフォームとして存在しており、その性質を活かして、Ethereum上で多くのプログラムが動いています。

ERC20の由来

Ethereum上でトークン(通貨)を発行するための規格として2015年11月にgithub上で提案され、議論を重ねたあと現在も多く使われているのがERC20という規格です。20番目の提案であったのでERC20と呼ばれています。

▼目次

  1. ブロックチェーンアプリのプラットフォームとなったEthereum
  2. ERC721とは-NFT(Non-FungibleToken)
  3. ERC721トークンの他の応用例
  4. 今後応用が考えられる例

ブロックチェーンアプリケーションのプラットフォームとなったEthereum

トークンの名前を返す関数、トークンの総供給量を返す関数、アカウントの残高を返す関数などが要件として決まっており、それらを実装するとERC20トークンになります。有名なものでは、Augur,OmiseGOといったトークンはERC20準拠です。

EthereumのエクスプローラーであるEtherscanを見ると、26000を超えるERC20トークンが存在が確認されており、この仕様が決まった効用でEthereum上では多くのトークンが流通、プラットフォームとしての価値が向上しました。

ERC20のデメリットを補完するERC223

現在、ERC223という規格も提案されており、これは主に、ユーザーがミスをした場合の救済策をERC20に取り入れたもので、ERC20の考え方と大きく異なものではありません。

ERC721とは-NFT(Non-FungibleToken)

前節で見てきたように、Ethereum上で発行されるトークンはERC20,ERC223という規格がこれまで主流でした。これらは、通貨であるため本質的にFungible(代替可能)なものでした。Aが持っている100トークンはBが持っている100トークンと等価であり、「代替可能」なものです。

ERC721は、各トークンを固有のものとみなします。個々のトークンは分割できず、「メタデータ」と言われる概念が付いています。CryptoKittiesの例を用いて説明します。(※1)

CryptoKittiesの大流行からみるERC721トークンのポテンシャル

CryptoKittiesは2017年の終わりに大流行した、Ethereum上で動かすゲームです。自分だけの猫を育てて、交配させ、猫を売買することができます。たまごっちやダービースタリオンの様なイメージです。CryptoKittiesでは、トークンが猫として位置付けられています。ユーザーが育てる各トークン(猫)は世界に一つしか存在せず、Non-Fungible(代替不可能)なものとして位置付けられます。

Aが持っているトークン(猫)とBが持っているトークン(猫)は代替不可能です。メタデータと言われる概念には血統、誕生日、再交配できるまでの時間などが含まれており、各トークンの固有なデータとして存在しています。ERC721では、数量に1の倍数を設定でき、1つの猫を分割して販売することはできません。CryptoKittiesは「トークン」を「通貨」ではない形で応用して大流行させたサービスになります。数日で100万ドル以上の取引が行われ、一時期、Ethereumのトランザクションを大混雑させました。

ERC721トークンの他の応用例

ERC721トークンの考え方は、CryptoKitties以外にも応用されています。DecentralandというVR技術を利用した3Dプラットフォームのプロジェクトがあります。

Decentralandでは、VR上の資産や取引記録がブロックチェーン上で管理されます。土地を管理するための「LAND」トークンはERC721に準拠した仕様で開発をしようとしています。

ERC721の方法論を受け継ぐと、所有主など土地の属性がメタデータとして保持されるのではないか、と考えられます。(※2)

ERC721で今後応用が考えられる例

ERC721トークンは、他の分野にも応用できる潜在性を持っています。現実世界でNon-Fungible(代替不可能)なものを考えると、土地、カルテ、ゲームアイテムなどに応用できるのではないかと考えられます。

ERC20,ERC223は通貨としての考え方、ERC721はそれ単独がユニークなものを定義する考え方として、それぞれ領分が異なるように思えます。ERC721が公式になり今後主流となるかは不明ですが、ビジネスへの応用を考える際、領域によってはERC721の考え方が当てはまりやすいケースも存在するのではないでしょうか。いずれにしても、ERC721はEthereumの新たな可能性を示したと考えられます。

※1.ERC223,721は2018年1月時点で公式の標準ではなく、まだ議論中です

※2.2018/1/14時点で、Decentralandプロジェクトでは、ERC721を発展させたERC821という仕様を提言しています。

この記事を書いた人
naomasa: 丸の内で働くブロックチェーンエンジニアのブログを運営

イベント情報をチェック

-Ethereum, Fintech, エンジニア, ブロックチェーン, 勉強, 基礎

関連記事

サンフランシスコ開催!Blockchain EXEとConsenSysによるブロックチェーンとスマートシティ【中編】

BlockchainEXE ニューヨーク運営Tomoyuki Kage 2、石井敦:クーガーCEO 石井敦:クーガー, CEO IBMのサービスの開発、楽天とInfoseekにおいて検索エンジンを開発 …

ビットコインバブルは崩壊するのか?政府の規制とインターネットバブルの歴史から未来展望を考えてみる

はじめに 連日、ビットコインの価格変動やICOによる巨額の資金調達のニュースが取り上げられています。 特に今年は企業側だけでなく、一般消費者に対するFintechの認知度がかなりあがったのではないでし …

ビットコインの歴史〜誕生から現在まで〜

はじめに メディアでビットコインが取り上げられる機会が増え、仮想通貨市場は盛り上がっています。大手企業も続々参入し、利用環境が着々と整えられています。 ビットコインはどのように誕生し、どのように成長し …

フィリピンSECがICOを有価証券とする声明〜拡がるビットコインの可能性〜

経済発展の著しいフィリピン 平均年齢が23歳と、ベトナムなど周辺国に比べ圧倒的に若いフィリピンの経済成長率は大きく注目されています。The World in 2050From the Top 30 t …

将来性はあるのか!?世界各国のブロックチェーン技術開発への取り組みまとめ

テクノロジーは一般化していく インターネットが世の中を変えたように、ブロックチェーン技術も世の中に大きな影響を及ぼそうとしています。 インターネット通信での電話、クラウドでのデータ共有、githubに …

イベント情報をチェック
プロフィール
Blockchain EXEはブロックチェーンの動作原理・基礎・応用など技術面の共有に重きを置いたエンジニアコミュニティです。
FBコミュニティ