ブロックチェーン技術で実現する共有財(コモンズ)の拡張と韓国における事例 | John Minkoo Kim theloop, Inc./ICON

John Minkoo Kim | theloop, Inc./ICON
早稲田大学商学部卒業。みずほ証券株式会社グローバル投資銀行部門、韓国・Ateam Ventures, Inc.を経て、2017年よりブロックチェーン・プラットフォーム専門企業 theloop, Inc. に参画。theloopではloopchain及びICONのグローバル・ビジネス・ディベロップメントを担当。

本日は簡単にtheloopとloopchainの紹介と「ブロックチェーン技術で実現する共有財コモンズの拡張」、そして韓国における事例としてCAHINIDおよびICONについてお話をします。

進む韓国のブロックチェーン開発

theloopは2016年5月に設立し、独自に開発してきたエンタープライズ向けのloopエンジンを、韓国国内の金融証券会社25社が参加している証券コンソーシアムや韓国の大学が参加しているucoin事業、韓国大手の生命保険会社である教保生命等が参加する保険コンソーシアムなどに技術提供しています。

loopchainとは

loopchainはオープンソース化されており、主に4つの特徴を持っています。一つ目は生産性の高いスマートコントラクトであるSCORE(SmartContractOnReliableEnvironment)を基盤に多様なサービスの具現化を可能にしています。二つ目は独自の合意アルゴリズムであるLFTというものを駆使しています。三つ目にひとつの独立したブロックチェーンネットワークの中で仮想のネットワークを構成することができる機能を持っています。そして四つ目は認証された機関ごとに参加、取引・監査等の異なった権限を付与できるモジュールアーキテクチャを持っています。

ブロックチェーン技術で実現するコモンズ共有財の拡張

次に本題である「ブロックチェーン技術で実現するコモンズ共有財の拡張」について韓国における事例として、CHAINIDと絡めてお話しします。

去年の10月、韓国のブロックチェーンコンソーシアムに参加している証券会社25社のうち11社でCHIANIDのサービスを開始しました。韓国のこれまでの公認認証プロセスでは、取引の当事者と別に信頼できる第三者の認証機関が必要でした。その中で認証コストが高い事や複雑な手続きが多く発生するという問題がありました。それに対して、theloopが開発したloopchainのブロックチェーンで第三者なしに認証の作成から検証まで行うことができるようになっています。その結果、複雑で煩雑な業務プロセスの削減や認証費用のコストを抑えることができています。

ICONプロジェクト

ICONプロジェクトについても簡単に説明していきたいと思います。まずは紹介映像をご覧ください。

ICONプロジェクトはtheloopとして高度につながった社会を実現しようというビジョンを掲げております。ブロックチェーンレボリューションの著者であるDonTapscott博士にアドバイザーとして参画してもらっています。こちらのICONプロジェクトは去年9月にICOをして、無事成功し、非常に大規模なプロジェクトになりました。ICONプロジェクトは今月24日(1/24)にメインネットをローンチします。また、ICONのプラットフォーム上でEhereumと同じように誰もが自分のdecentralizedアプリケーションを作ることができます。ご興味のある開発者の方は是非触ってみてください。

質疑応答

Q:CHAIN IDに関して伺いたいのですが認証の仕組みの裏で動いてるブロックチェーンはどの組織が運営しているのか。また、そこで動いているサーバーはサーバー証明書っぽい仕組みで結局守られているのですか?

A:CHAIN IDサービスに参加する金融投資業権ブロックチェーンコンソーシアムの各証券会社にサーバ(ノード)が割り当てられており、各証券会社は、自己責任のもと、サーバを運営しています。また、個々のノードに設置されている「loopchain」に関する技術的サポートはtheloop, Inc.が担当しており、緊急時に備えて各ノードの状態情報を収集する管制センターを金融投資業権ブロックチェーンコンソーシアム事務局に設けております。

Q:常に稼働しているブロックチェーン同士のエクスチェンジを行うものという理解でよいですか?

A:そうです。

Q:つまり韓国国内ではすでに稼働しているブロックチェーンがいくつか存在しているのでしょうか?

A:loopchain技術を使ったCHAIN IDは既に稼働しています。

Q:インターレッジャーの仕組みとICONの仕組みはどう違うのか?裏ではインターレッジャーを使っているのか?を教えてください。

A:直接の比較は難しいのですが、ICONは独自に開発しているBTP(Blockchain Transmission Protocol)技術を活用して、巨大なブロックチェーンネットワークの構築を目指しており、多様なブロックチェーン・コミュニティはそれぞれの独自のガバナンスを維持しながら、必要に応じて他のブロックチェーンネットワークと連結(取引連動やバリューのトランスファー等)することができます。

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