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EXE#8イベント(2):シェアリングエコノミーとブロックチェーンの相性と課題 | 峯 荒夢

投稿日:2018年1月31日 更新日:

シェアリングエコノミーとブロックチェーンその相性と課題 | 峯 荒夢 ガイアックス

峯 荒夢 Aramu Mine | ガイアックス
株式会社ガイアックス RND 開発マネージャー。RNDでは新規技術を担当。その中でもブロックチェーンは、シェアリングエコノミーを支える最も重要な技術として取り組んでいる。中間者による搾取が排除され、フェアで不正の無い世の中を実現する技術としてその可能性を信じ、社会への実装へ向け日々取り組んでいる。

ブロックチェーンとは?

シェアリングエコノミーの話をする上で、ブロックチェーンとスマートコントラクトを理解する必要があります。

ブロックチェーンを一言で表すと、私はいつも「台帳」と説明しています。ビットコインのブロックチェーンは2009年に生まれてから現在までの全ての取引を記録しています。ブロックチェーンはその台帳1ページをブロック、そしてそのブロックが繋がっている要素をチェーンという風にイメージするとわかりやすいかと思います。

そしてブロックチェーンの特徴としてはみんなで支えている台帳ということで P 2 P の技術を使って複数のコンピュータで構成されています。 PC がそれぞれの計算パワーを出し合って成り立っているため、仮に一つのコンピュータが壊れても他のコンピュータがあるため、ブロックチェーンネットワークは壊れないという特徴があります。

そして台帳は誰でも見えますし、誰でも書き込む事ができます。また台帳へのアクセスには鍵が必要です。その鍵は誰でも作れますし、または誰かに発行してもらうというブロックチェーンもあります。

そしてみんなで見張っているというのがブロックチェーンのもうひとつの特徴です。例えばビットコインのブロックチェーンの場合はPoWによって改ざん難易度をあげ、ひとつながりによる仕組みによって成り立っている。改ざんされた場合も修復機能が備わっており、それは自動的に働くといった特徴があります。これらをまとめると、「みんなで支える信頼のおける台帳」がブロックチェーンであると説明できます。

シェアリングエコノミーに欠かせないスマートコントラクトとは

スマートコントラクトはシェアリングエコノミーを説明する上で欠かせません。スマートコントラクトは直訳すると「洗練(smart)」された「契約(contract)」となります。ブロックチェーンの場合はプログラム化された契約条件が明文化されていて、プログラムとして可読性の高い契約になっています。解釈というのもプログラムによって明文化されているので、弁護士や裁判所などの第三者の介在がなくても理解できるものになっています。

ブロックチェーンアプリケーション

そして、私はスマートコントラクトはブロックチェーンの機能を拡張するアプリケーションレイヤーであると考えています。スマートコントラクトはブロックチェーンのお金の台帳と連携させ、契約の締結と履行を自動実行できます。

IoT 機器やスマートフォン機器や Web アプリはブロックチェーンとスマートコントラクトの間に挟まっており、スマートコントラクトを上手く使うとDAOというものができます。DAOは自律分散型組織というもので、企業や団体が中央に存在しなくても一定のルールがあればそれに従って自律して動く組織です。

そのルールはプログラムで書かれており、若干DAOの定義と違うところもあるのですが、ビットコインはこの形態で動いています。スマートコントラクトのプログラムで、このDAOというプログラムが実現可能ではないかと言われています。そして世界中で実装が進められており、シェアリングエコノミーというカテゴリーは、このDAOが期待されている領域です。

シェアリングエコノミーの構造

ここから、その辺りについて説明していきます。まず、シェアリングエコノミーについておさらいしていきましょう。シェアリングエコノミーとは「個人などが保有する活用可能な資産などをインターネット上のマッチングプラットフォームを介して、他の個人も利用可能となる経済活性化活動」ですが、これは内閣府が出した文章をアレンジしたものです。シェアリングエコノミーには空間のシェア、スキルのシェア、移動のシェアなど様々な領域があります。

遊休資産の活用によるシェアリングエコノミー

この中からライドシェアに絞ってお話をしていきたいと思います。我々が車を利用する際、後部座席が空いているとします。このスペースを遊休資産と呼びます。そして、このもったいないスペースを相乗りのマッチングする事で有効活用していこうというものがライドシェアです。日本の法律では運転手が乗客を目的地まで連れて行き、そのお駄賃をもらうことはできないので、燃料代や高速代の実費を折半するという形でシェアリングが成り立ちます。運転手からすれば燃料代が浮きますし、相乗りした人からすれば移動代が浮きます。お互いwin-winな関係を作るというのがシェアリングエコノミーの一番のメリットです。

このように空きスペースと遊休資産の活用で経済をより活性化していくことを目指しています。スキルシェアの場合、スキルを持っている人が空いている時間に、自分のスキルを提供することで、労働力不足の解決にもつながるのではないかと考えています。

シェアリングエコノミーの課題

しかし、シェアサービスにはデメリットもあります。ライドシェアは自家用の車を使うことが多く、運転手は素人です。そうすると乗る人は「この運転手さんは大丈夫かな」というような心配が生まれてきます。そのため安全を担保する仕組みが必要になります。それがシェアリングエコノミーを 進めていく上での大きな課題となります。

ブロックチェーンのシェアリングエコノミーへの活用

まずブロックチェーンは台帳ですので、色んな物を台帳管理できます。 個人間契約、決済、評価、本人確認、こういったものを台帳管理できると思います。そしてブロックチェーンはデータを共有することも得意な領域としています。

ブロックチェーンでこのような台帳管理を共有することによって、複数のシェアリングエコノミーのサービスでユーザーや決済の権利を共有することができます。例えばライドシェアで得られたレピュテーションを信頼して民泊として貸すこともできます。その他にもいろんなものを台帳管理できるというふうに考えています。日本ではあんまり進んでいないのですが。海外では実際に色々なシェアリングエコノミーを活用したサービスが存在しています。

ブロックチェーンによる本人確認認証

そして弊社でやっているオンライン本人確認サービスのトラストドッグというものがあります。シェアリングエコノミーでブロックチェーンで管理できるものはいろいろありますが、決済の台帳管理、評価の管理などは本人が特定できていることによって成り立っています。そのため本人確認の部分に特化したものがトラストドッグスです。

本人確認認証の課題

皆さんはシェアリングサービスを使う際に本人確認をすると思いますが、サービスごとに本人確認を行うのは面倒くさいです。またシェアリングサービスは小さいスタートアップがやることが多く、その場合に本人確認システムを持つというのは非常に大変です。なので、本人確認の部分を代行してあげましょうというところで始まったのがこのサービスです。

今は本人確認という仕事を代行する部分を更に進化させようとしている中で、将来的には複数の企業やサービスで複数人の本人確認をできるようにしていきたいと思ってます。その際にブロックチェーンを活用できるのではないかと思っています。実際にブロックチェーンの実装も行っていますが、今はそこに集中するのではなく、本人確認という点をより進めています。実際CASHというサービスの裏側の本人確認はこのトラストドッグを使っています。

また、シェアリングエコノミーは信頼が重要になっているので、認証テストに通るためにトラストドッグを使うと本人認証のテストに合格できるというところを目指していてます。

シェアリングエコノミーのブロックチェーン活用の落とし穴

これまでシェアリングエコノミーとブロックチェーンは非常に相性がよさそうという事をお話してきましたが、実際そうなのかというと違います。そこには大きな落とし穴があります。

シェアリングエコノミーを全自動化すると仮定した場合、ホストがシェアリングエコノミーに自分で登録して、ゲストがそこから購入して、お互いが評価を保証して、契約はブロックチェーンのスマートコントラクトの中で行うことができれば業者がなくてもシェアリングサービスを完結できると理論上言えます。でもそれは幻想です。

シェアリングエコノミーとブロックチェーンの認知の拡がりが必要

今のところシェアサービス業者がホストも業者も必死に集めてこないと成り立ちません。勝手に登録されるというところまでは来ていません。またサービスの品質を担保しなくてはなりません。そのため今はサービス業者が必死に品質を担保しています。

なのでゲストとホストが自然と集まり、”評価”のみで信頼が担保できなければ、DAO化しても誰も使わない失敗したサービスになってしまいます。そのため、よりシェアリングエコノミーを認知させていく必要があると思っており、弊社はシェアリングエコノミーがより認知され、使われるところに向けて準備をしています。そしてシェアリングのためのブロックチェーンの認知が拡大するのを待っています。


Q:DAOは終了させることはできるんですか?一回構築したDAOを暴走してしまったのでやめましょうということは第三者によってできるのでしょうか?

A:実装次第です。そのため、終了できないものを作ることは可能だと思います。実際イーサリアムでプログラムにバグがあってブロックチェーンを巻き戻しをして、DAOそのものが無かったことにするという手法がとられた事があります。

Q:シェアリングエコノミーをDAOで置き換える時に利用者の確保や質の担保が必要というお話がありましたが、シェアリングエコノミーでの技術的な大きな問題はどこだと考えておられますか。

A:実際の行為とそれをデジタル化するというのは課題はあると思います。ただ権利を鍵として貸し出すということによってデジタル化して解決するという方法はあると思いますし、また正しい評価を載せることができれば、そこも担保ができるかなと思います。ただし、”評価”の信頼を担保することはそうそう簡単なことではないので、おそらく信頼の積み合わせで解決していく必要があるかと思います。

Q:プライベートブロックチェーンを使うメリットはシェアリングにおいて、あまりないのかなと思うのですが、今回の話の中にあった「ブロックチェーンでシェアエコリングエコノミーを加速する」というのは基本的にはパブリックブロックチェーンを前提にしてお話ししているのでしょうか。

A:まさにおっしゃる通りで、プライベートで使っても、それはただのデータベースであり、確かにサーバーは落ちないかもしれませんが、どちらかというと複数の企業間でデータを持ちあって複数のサービス間で決済なども行う事によって価値が出てくると思うので、パブリックブロックチェーンが一番力を発揮すると考えています。

Q:そうした時(パブリックブロックチェーンを活用)の参加した企業側のモチベーションはどうなるのでしょうか?

シェアリングのプラットフォーマーになるビジネスは単純には成り立たなくなるとは思います。その周辺ビジネスに展開するなどして稼ぎ方を変えていく必要があるでしょう。なのでビジネスの形が変わっていくと思います。

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