Blockchain EXE 二度目のサンフランシスコ開催【前半】

みなさんこんにちは!2018年10月12日にBlockchain EXEをサンフランシスコにて開催してまいりましたのでサンフランシスコ現地レポートをお届けいたします!Blockchain EXEのサンフランシスコでの開催は今年に入ってなんともう2回目です!

1.サンフランシスコはこんな街

(昔ながらの建物も多く、新しいビルと共存しています)

サンフランシスコといえばご存知、シリコンバレー。1960年代にシリコンを主な原料とする半導体に関連する企業がサンフランシスコ南のサンノゼ周辺に集まったことからこう呼ばれるようになったことはご存知でしたか?

現在ではApple、Intel、Google、Facebook、Twitterなど企業が本社を構えていることでも有名なシリコンバレーですが、近年ブロックチェーン企業やデベロッパーが数多く進出しています。

5月の「なぜBlockchain EXEがサンフランシスコへ?(サンフランシスコのブロックチェーン最新事情編)」でも詳しくご紹介しました。
ベイエリアでは、「Done is better than perfect.(完璧を目指すよりまず終わらせろ)」がモットーと言われている通りに、次々に新しいベンチャー企業やプロジェクトが生まれています。

ブロックチェーン業界のリーダー的存在のアメリカで、投資関連が活発なNYと並び、ここSFは技術系スタートアップが多いことで知られています。SFではエンジニアリングのスキルあるのが前提で、その上マーケティングやマネジメントなど複合的にできる人材が有望なプロジェクトを牽引しています。この前日にも行きましたがスタンフォード大学をみてもわかるように、優秀な人材の宝庫でもあるのがここSFです。

街中は坂が多く、南国で日差しが明るく、どこを歩いていても絵になります。

ゴールデン・ゲート・ブリッジやフィッシャーマンズワーフ、ツインピークスなどの観光名所は映画によく登場しますし、人気のテレビシリーズ「ダーマ&グレッグ」、」「フルハウス」、「名探偵モンク」などがここSFを舞台に撮影されました。古く(1860年代)からチャイナタウンがあり、街中にはいたるところで中国の方を見かけます。

(特にサンフランシスコは中国の方が多い。)

中国だけでなく、他のアジアやラテンアメリカの移民を多く受け入れてきた歴史があり、市民の35%が移民との統計があります。

コーヒーの美味しい感じのいいカフェSightglassを見つけました。

(流石ジャックドーシーが投資しているだけあって何もかもがオシャレ)

ここは、なんとあのTwitterの創業者Jack Dorseyが投資しているカフェスクエア&コーヒー!?
Philz Coffeehttpsといい、SFで成功する起業家とコーヒーは切り離せませんね。

2. ブロックチェーンEXEの会場で日本では考えられないハプニングが…

ConsenSysのSFオフィスの前。日本でいうチンチン電車的なバスが走るSFの中でも中心地。ブルーボトルが入っているいるビルを登るととても新しい施設でかつ明るく広い部屋を用意されていました。

本来はこの会場で開催される予定で既に準備万端!テレビに流す映像もZOOMを使って録画もできるというとってもスマートなシステムが搭載された会場。

キンキンに冷えたビールとケータリングで春巻きと餃子も用意されていました。

しかし、いざイベントが始まると、どこからか「ドドドドドドドドドドドド」と凄まじい音が…。
会場にDIOが現れたわけではありません。なんと会場の真上の階で工事が始まったのです。想像を超えるドリルの間断ない騒音で、発表も何も聞こえたものではありません。皆で苦笑まじりに相談を行い、空いていた小さな部屋に移ることになりました。

アンドレアスの機転の聞いた決断で会議室へ移動!HEY GUYS!ビールを持って移動しようぜ!

みんなでビールを会議室に持ち込んでそれじゃーBlcokchain EXEを始めようぜ!とアンドレアスの明るい声でBlockchain EXEは始まりました。今回のミートアップは日本ではなかなか起きないハプニングから始まりました。しかしこんなハプニングをポジティブに楽しめるかどうか、これって実はアメリカで成功する秘訣なんじゃないかと思います。寧ろ皆さんこの環境を楽しんでたと思います。

Blockchain EXE × ConsenSys ミートアップスタート

今回は「スマートシティとブロックチェーン by Blockchain EXEと題してConsenSysさんににお招きいただきました。

Blockchain EXEから2名、ConsenSysから2名のパネリストが、スマートシティにブロックチェーン技術がどう使われていくのかを発表しました。

1. 茂谷保伯 Blockchain EXE副代表


(Conensysの、、、ではなくBlockchain EXE 副代表の茂谷さん)

はじめに、元KDDIのブロックチェーンリード、そしてConnectomeのエグゼクティブでレクターをつとめてらっしゃる当Blockchain EXE副代表の茂谷さんからBlockchain EXE について皆様に紹介をしていただきました。
Blockchain EXEは日本最大級のブロックチェーンコミュニティで、東京で毎月ブロックチェーンのイベントを開催。ブロックチェーンに関連した業界と企業の垣根を超えることを目指しおり、最近の活動はアメリカのTec系のメディアのWIRED日本版と一緒にイベントを開催したり、ルワンダでワークショップを行なったりと、ワールドワイドなコミュニティです。

2. 石井敦 Couger CEO

石井さんはCouger のAI x AR x Blockchainと社会を結びつける新しいインターフェースのプロジェクト、「Connectome(コネクトーム)」の概要を説明。AIに信頼性をもたらし、次世代のユーザーのインターフェイスを実現するプロジェクトですが、バーチャルヒューマンエージェントを用いて、スマートシティでの活用例を説明しました。

(流石慣れてるだけあって和やかな雰囲気でスタート)

来たるloT時代の自律テクノロジーを実現するインターフェイスの一ひとつとして開発中のバーチャルヒューマンエージェント(Virtual Human Agent, VHA)は、現実世界のイメージや状況に反応し、会話したり、家電を操作したり、まるで人間のように思考し、コミュニケーションすることができます。人に似せたインターフェイスにすることで、使用する人とのやりとりがスムーズになると話しました。

「あなたの車やオフィスのにバーチャルヒューマンエージェントが居たら」のデモ映像を流すと、参加者たちは声をあげて驚いていました。
そしてスマートシティにおいて、このバーチャルヒューマンエージェントという新しいインターフェイスがいかに活躍できるかについて話をしました。

3. 石黒一明 Couger Chief Blockchain Architect

石黒さんは、コネクトームのプロジェクトとバーチャルヒューマンエージェントについて、技術的な側面を説明しました。
スマートシティの将来は、データをブロックチェーンの非中央主権的な管理こそが、信頼性を高めていく鍵であること。
またCougerが開発しているGeneFlowというブプロジェクトを紹介し、AIの履歴をブロックチェーン技術を使用して集約していく流れの構築について紹介がありました。

バーチャルヒューマンエージェントがスマートシティにいたら技術的にどのようなことが可能になるのか、という具体的な説明がなされ、参加者も興味を覚えていました。

二人への質問はConnectomeのプロジェクトのテクニカルな質問から社会的な側面につっこんだ質問や、一人の意見に対して会場の人達同士で意見を交換しあったり、果ては中国の中央集権化されたモニターで監視された社会を果たしてスマートシティと呼んで良いかどうかなど、社会を如何によくするかという意識の高い方が集まっているということがひしひしと伝わってきました。ブロックチェーンを使って如何に非中央集権化を進めるかというところの話がやはり盛り上がりました。スマートシティ+ブロックチェーンというテーマはサンフランシスコの方々にとって非常に重要なテーマであることを実感できました。

4. Carol Xu ConsenSysリサーチャー

キャロルさんは、スタンフォード大学博士号取得後、ブロックチェーン技術を使った非中央主権型のやり方に魅了され、現在はブロックチェーン技術を使った公的機関のお仕事をされています。
人々や仕事、技術をより深く理解し、人間の可能性を発揮するためにブロックチェーンを使おうと、今も貪欲に学習する生活を送ってらっしゃるそうです。
はじめにキャロルさんは新しい方に向けて、ブロックチェーンとは、イーサリアムとは何か、といった基本的な説明も付け加えて行なっていただきました。

公共機関が進めるスマートシティ計画にブロックチェーンソリューションを提供するお仕事をしている関係上、彼女自身の進める仕事内容は明かせないようでした。しかし、スマートシティ化には、ブロックチェーン技術が重要なカギになることを強くお話しされていました。

5. Brett Li ConsenSys商品マーケティングとビジネスの開発

ブレットさんはコンセンシスの技術者でありながら、B2Bビジネスに精通し、豊富な経験で新しい製品を売り出しています。商品の販促、デモンストレーション、コンテンツ、アナリスト関連、実際の販売までを広く手がけています。
彼もまた、スマートシティに関する政府関連の仕事を手がけおり、ブロックチェーン技術のユースケースについてお話して頂きました。

6. Alex Voto ConsenSys西海岸ディレクター

アレックスは今回のイベントのモデレーターを行なっていただきました。お世辞でなくブロックチェーン関連のイベントのモデレーターは彼ほどの適任者はいないでしょう。
Enterprise Ethereum Allianceというブロックチェーン業界のワーキンググループの主催や、コンセンシスのエンタープライズソリューションチームと技術提携のお仕事をされています。先日もLAで開催された、EEAの中の電話会社向けのワーキンググループ、テレコムワークセッション(https://entethalliance.org/events/eea-telecom-worksession-meeting-mobile-world-congress-americas/)でも世界中から集まっている電話会社の猛者達相手にまとめ役として尽力されてました。

ブロックチェーン業界という、経済や技術や政府など、専門分野や資本が異なる複雑な橋渡し役として活躍中です。

まとめ:

Blockchain EXEがサンフランシスコに乗り込むのは2度目(前回はこちらhttps://blockchainexe.com/execonsensyssf/)です。

前回の3月のBlockchain EXEから半年経ち、今回改めてサンフランシスコで気づいたことがあります。前日に行ったスタンフォード大学のミートアップでも感じたのですが、イベントに来られている参加者のレベル、意識が半端なく高い!ということです。
今回のイベントではブロックチェーンやフィンテック、テクノロジーに精通している人が多く、質問の内容、注目しているポイント、雑談の内容が大変ハイレベルで、こちらが刺激をもらいました。ブロックチェーンにとって、サンフランシスコはますます重要な街になっていくでしょう。今後はもっとサンフランシスコに足を運んで、益々日本とアメリカを繋ぐイベントや交流ができたらいいなと思います。

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