はじめに
シンガポール金融管理局・通称MASが2017年10月5日、ブロックチェーン技術/DLT(分散台帳技術)を利用したサービスの開発内容を発表しました。
ブロックチェーン/DLTは金融業界全体のイノベーション推進における中核を担う技術です。
彼らは、その技術を利用した銀行間での送金に関するソフトウェアプロトタイプの開発に成功しています。
Project Ubinとは
MASは、シンガポール銀行協会・通称ABSとともに「Project Ubin」という、ブロックチェーン/DLTを活用した銀行間での送金プロジェクトを進めてきました。DLT上にシンガポールドルをトークン化する実験です。
11の金融機関と5つのテクノロジー企業と共に実施されたこのプロジェクトは、ブロックチェーンを使用して、銀行利用者が長い処理時間、高額な手数料、また仲介者を必要とせずに直接送金できるシステムの開発を目指しています。
Project Ubinに参加する機関・企業
Project Ubinに参加しているのは以下11の金融機関です。
- クレディ・スイス
- バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ
- シティ
- DBS銀行
- 香港上海銀行
- JPモルガン
- 三菱UFJフィナンシャルグループ
- 華僑銀行
- シンガポール証券取引所
- スタンダードチャータード銀行
- ユナイテッド・オーバーシーズ銀行
世界のトップレベルの金融機関が集っていると言えます。
またブロックチェーンによるプラットフォーム開発には、以下のの5つのテクノロジー企業が参加しています。
- アクセンチュア
- R3
- IBM
- ConsenSys
- Microsoft
どこもブロックチェーン開発で注目を浴びているテクノロジー企業・組織です。
ブロックチェーン技術によってシンガポールが目指すもの
シンガポールは「スマート・フィナンシャル・センター」という大きな目標を掲げ、シンガポールの金融エコシステムによるDLT研究分野でのリーダーシップ確立を目指しています。その上でProject Ubinは重要な位置づけとなるプロジェクトなのです。
DLTの及ぼす影響・メリットをあらゆる角度から探ろうとしているアジアにおいて、シンガポールは最初の重要な金融センターになりつつあります。
参考サイト:MAS公式サイト