はじめに
中国の大きな問題となっている食品偽装問題に対して、アリババはブロックチェーン技術を用いて不正是正を行う準備を始めています。特にオンラインでの販売を基本とするアリババは深刻な食品偽装に関する早期の問題解決を急いでいます。
- アリババ(阿里巴巴集団)とは
- 中国における商品偽装問題とブロックチェーン
- ブロックチェーンに基づく「Food Trust Framework」とは?
- まとめ
アリババ(阿里巴巴集団)とは
アリババ(阿里巴巴集団)は中国の企業が世界に輸出する仕事を『易しく』する事を最初の目的として作られた企業です。特に中国を中心とした中小企業がネット販売をより円滑に、また簡単に出来るような仕組みづくりに重きを置いています。また、アリババと縁が深い日本企業が孫正義氏のソフトバンク社で、十数年前からアリババ社へ投資を行っています。
世界のEC事業の主役になったアリババ
2017年3月期決算は売上高が前期比56%増の1582億元(約2兆5600億円)と報じられていて、世界のビッグカンパニーとしての地位を不動の物としています。そして、売り上げの約70%をインターネット通販事業で獲得している中で、クラウドベースでの事業も大幅に収益を伸ばしている最中です。
中国における商品偽装問題とブロックチェーン
アリババは収益の多くをEコマース事業に依存している中で、中国の食品偽装問題を早期に解決する必要があります。その中でブロックチェーン技術を活用してサプライチェーンが正しく食品を販売しているのかを追跡する実験を行う予定です。具体的にはPwCと協力してブロックチェーン技術を用いた食糧詐欺を減らすシステム「Food Trust Framework」を開発しているとの事ですが、どのように食品偽装を判断しているのかについては言及しておらず、まだプロジェクトは初期段階と言えます。
ブロックチェーンに基づく「Food Trust Framework」は何をするのか?
食品偽装問題を根底から解決する為の「Food Trust Framework」とは、サプライチェーン(生産者から消費者への流通経路)を追尾するブロックチェーン技術の活用を意味しています。ブロックチェーンを通じて商品の出荷をリアルタイムで追跡し、セキュリティや衛生上の問題を一挙に解決することが大きな目的です。商品の最初の担い手となる生産者が商品を提供する前段階に「Food Trust Framework」を設定し、可能な限り食品偽装問題を解決する為の動線を確保していきます。言い換えれば、清潔で安全な食品輸送を行う為にブロックチェーンを利用していると言えます。
まとめ
いかがだったでしょうか?アリババが中国の食品偽装問題に対してブロックチェーン技術を活用した「Food Trust Framework」を利用し、新たに安全なサプライチェーンを確保する動きを見せている事をお伝えしました。言い換えれば商品の精査を初期段階に設置する事で、さらなる品質の向上に務めていると言えるでしょう。