はじめに
https://www.youtube.com/watch?v=hxtB01iPK6w
暗号通貨は、最近大きな注目を集めています。各通貨の価格変動は、まるで地球の重力に反する様な動きをしています。
Bitcoinの価格変動(2016/7 ~ 2017/6)
Ethereumの価格変動(2016/7 ~ 2017/6)
上位8つの暗号通貨の価格変動(Bitcoin, Ethereum以外)
そしてトークンを発行して何億円もの資金調達をすることも、一般的になってきています。
VCs face off against ICOs to fund emerging blockchain companies https://t.co/AJ9VkbbcTK pic.twitter.com/x2oa3rWH24
— CB Insights (@CBinsights) May 20, 2017
私の13歳の弟でさえ、この前私に電話して説明を求めてきました!
私はCoinbaseでエンジニアとして勤務するなど、ブロックチェーンに数年前から携わってきました。そんな私でも、ここ半年間(訳注: 記事がかかれたのは2017年7月であるため、2017年前半)の業界の成長速度に驚いています。
なぜ暗号通貨がこれほど注目を集めているのかを理解するためには、ある「新しい動き」を理解する必要があります。その「新しい動き」とは、 「トークンセール」または 「イニシャル・コイン・オファーリング(ICO)」と呼ばれています。
基礎情報
ICOのベースとなっている仕組みを理解せずして、ICOを理解することはできません。
暗号通貨の基礎をすでに理解している方は、このセクションをスキップしていただいて結構です。他の方。。。準備はいいですか?
暗号通貨の技術スタック
Bitcoin(ビットコイン)
Bitcoinとは、P2P技術を使用する分散型デジタル通貨です。
P2Pとは、資金を提供したりトランザクションを追跡する中央機関がないことを意味します。 代わりに資金のやり取りは、Bitcoinのネットワーク上にてまとめて管理されます。 トランザクションはユーザー間で直接発生し、ブロックチェーンに記録されます(詳細は後述します)。
インターネットには素晴らしいBitcoinの情報がありますので、ここでは深く説明しません。参考になる記事をいくつか挙げておきます。
Bitcoin Wiki, Wikipedia, What is Bitcoin, Bitcoin Magazine, Why Bitcoin matters.
ブロックチェーン
ブロックチェーンとは、デジタルトランザクションを永久に保存する、分散型データベースです。 改ざん不可能なデータを格納しているログファイル、と言えます。 この分散型データベースは特定の管理者によって管理されるのではなく、ネットワーク上で参加者がデータベース(=ブロックチェーン)をそれぞれ複製してローカル環境に保存し、ネットワーク上の誰にでもトランザクションが見えるようにします。ブロックチェーンのブロックには、トランザクションの履歴、直前のブロックへの参照値、数学パズルへの回答(ナンス)などが含まれています。
ブロックチェーンは、ネットワーク上のマイナー達に複雑な数学パズルを解くよう競わせる事で、システムが保たれていると言えます。
マイナー達はこの数学パズルを解くために、多くのコンピュータ処理を実行します。そして他のマイナー達よりもこの問題を速く解決してBitcoinのブロックを確定させると、Bitcoinを一定量もらうことができます。
このような分散型ネットワークの強みは、価値の所有やネットワークの運営が1つの組織(銀行、政府、会計士など)に集中せずに、ネットワーク上の参加者(マイナーや消費者)に分散されることです。この仕組みのおかげで、第三者を介さずに、誰でもデジタル資産を所有したり、移動させる事ができます。
ブロックチェーンの技術はBitcoinに限定されません。EthereumやLitecoinのように、独自のブロックチェーンを構築して別の暗号通貨を作成する事もできます。
プロトコルレイヤー
次にプロトコルレイヤーに関して説明します。 プロトコルとは一般的に、ネットワーク内のノードがデータを送る時に使用するルールです。
プロトコルの例として、パケットという形でメッセージ交換するためのルールであるTCP(Transmission Control Protocol)が挙げられます。 TCPは、データパケットが正しい順序で配信されることを保証します。 他にもIP(Internet Protocol)は、インターネット上のアドレスを使用してメッセージを送受信するためのルールです。
ブロックチェーンの話の中で「プロトコル」という言葉が出てきたら、ブロックチェーンのネットワーク上で合意を形成して、それを維持するための「暗号経済ルール(Cryptoeconomic Rules)」だと考えてください。
つまり暗号経済ルールは、分散型のデジタル経済を維持するためのルールで、主に下記の2点を行います。
- 認証に公開鍵を使用
- 参加者に対する経済的インセンティブの構築
例えばBitcoinブロックチェーンの場合、Bitcoinすべてのトランザクションを検証するために、マイナーへの金銭的なインセンティブがあります。
この「金銭的インセンティブ」とは、正確には何でしょう?
トークン
ここでトークンの登場です。
マイナーへの金銭的インセンティブはBitcoinの場合、ビットコインブロックチェーンに構築された「固有トークン」を用いています。このトークンは飴と鞭として機能し、マイナー達はコンピュータ処理でトランザクションを検証し、報酬としてトークンを得ることができます。
一般的に「暗号通貨」または「トークン」という言葉は、Bitcoinなどのブロックチェーン上に構築され、所有ができ、そして他人に転送できるデジタル資産の事を指しています。
ブロックチェーン上にトークンを作成するには、様々な方法があります。 例えば最も有名なトークンはBitcoinという、Bitcoinブロックチェーン特有のトークンです。またはBitcoinブロックチェーンからフォークし、新しいトークンを作成することもできます。例として、ZCash、Litecoin、Moneroなどがあります。
あるいは全く新しいブロックチェーンを構築して、その上にトークンを作成することもできます。Ethereumはこの方式を取り、Ethereumブロックチェーンのトークンは Etherと呼ばれています。
そして何とEthereumブロックチェーン上に、Ether以外の新しいトークンを作ることさえできます。例えばGnosis(GNO)やAugur(REP)がこれに当てはまります。Ethereumブロックチェーンの固有トークンとしてEtherが存在しており、混乱を招きやすいですが、これに関してはこの記事の後半で説明します。まずはEthereumブロックチェーン上に、固有のトークン以外の他のトークンを作ることが可能である事を理解してください。
既存の通貨システムを例にすると、トークンは日本円のような通貨で、プロトコルは金融政策であるとも言えます。
重要なのは、全てのトークンはあるブロックチェーン上に構築されているという事です。そしてトークンに価値があるのは、このブロックチェーンが分散されかつ改ざん不可能な資産管理を可能にするからです。
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