【ブロックチェーン導入企業 ユースケース特集】日本はブロックチェーンの技術大国になれるのか? | Blockchain EXE #19

19回目となるBlockchain EXEのテーマは『企業 x ブロックチェーンのユースケース特集』。

ブロックチェーン導入企業からゲストをお招きし、日本のブロックチェーン産業の現在地と成長未来を様々な視点からお話しいただきました。

目次

那須氏は、LINEで新たに取り組んでいるブロックチェーンプラットフォーム「LINK Chain」の開発をリードしてきました。LINK Chainを始めとするブロックチェーンの開発プラットフォームを使うことで、ブロックチェーンを用いたアプリケーションを作成するハードルは下がっていると言います。

【Blockchain EXE #19 ブロックチェーン導入企業ユースケース特集3】ブロックチェーンの相互運用「インターオペラビリティ」- 那須利将|LINE株式会社

那須利将 Toshimasa Nasu|LINE株式会社
ネイバージャパン株式会社、NHN Japan株式会社を経てLINE株式会社に在籍。現在は「LINE Blockchain Lab」にて、LINE独自のブロックチェーン「LINK Chain」の開発を担当、日々奮闘中。

BitcoinやEtheriumといった異種類のブロックチェーンをユーザが取引所を介さずに直接価値の交換ができる、相互運用の仕組みが求められてきています。

その実現のために、サイドチェーンという技術があります。これはブロックチェーンのトリレンマであるスケーラビリティの課題に対するソリューションとも言える技術です。サイドチェーンでトランザクションを行い、メインチェーンであるBitcoinやEthereumに最終的な結果のみを書き込むことでメインチェーンのスケーラビリティを解消します。例えば、BitcoinはLiquid、EthereumはPlasmaというサイドチェーンが有名です。付随情報としてPlasmaを運営するPlasma Groupeは先日、OVMというステートチャンネルを使ってより簡単にサイドチェーンが実装できる仕組みを提案しました。

インターオペラビリティを実現するCosmosとPolkadot

CosmosはZoneというメインチェーンの間にCosmos Hubを中継してサイドチェーンの役割を果たす構造をとって相互運用を実現しています。BitcoinやEthereumと組み合わせる場合はCsmos Hubとの間にPeg Zoneを挟むことで、Cosmos Hubを中心とする広大なネットワークが築ける仕組みになっています。

続いてPolkadotも似たような構造をとっており、Parachainというメインチェーンの間をRelaychainというサイドチェーンが中継しています。またPolkadotのPeg Zoneに当たるものはBridge Chainと呼ばれます。

CosmosとPolkadotは共にメインチェーンの相互運用を可能にし、誰でも簡単にブロックチェーンプラットフォームが作れる開発ライブラリを用意しています。一方で、これらのブロックの生成方法には違いがあります。

まずCosmosはPeg Validationという方式をとっています。これはZoneの中で発行されたトランザクションがファイナリティまで完了してからCosmos Hubに新たなトランザクションを発行することで価値の交換ができる仕組みになっています。ZoneとCosmos Hubのブロック間の関連は不透明という特徴があります。

一方、PolkadotはMerge Validationという方式をとっており、ブロック生成とファイナリティの順番が異なります。まずParachainにトランザクションが発行されるとRelay Chainにブロック生成の提案を行い、Relay Chain内でブロックのファイナリティが取られます。従って、Relay Chainのバリデータが優秀であればブロックの信頼性は担保されます。

LINE Token Economyによるブロックチェーンプラットフォーム

「LINE Token Economyも、様々なアプリケーションを繋いだ相互運用を実現してネットワークを広げていきたい」と開発に携わっている那須氏は語ります。これまで提案されてきたブロックチェーンのスケーラビリティに対する解決策を活用すれば、今後のブロックチェーンの社会実装は加速していくのではないでしょうか。

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