ブロックチェーンを支えているPoWとPoSの違いを説明できますか?
近年、世間を大きく賑わせている仮想通貨。
仮想通貨にはブロックチェーン技術というものが使われています。
合意形成アルゴリズムとし使われるPoWとPoS
ブロックチェーンには中央の管理者が存在しませんが、取引が正しいのかどうかを、誰かが判断しないといけません。
そのブロックチェーン上での取引が不正でないかどうか確認する合意検証の方法が、PoWやPoSと呼ばれるものです。
よく聞く「マイニング」とは、この検証作業を行うことで報酬を得ることです。
ここではPoWとPoSの違いについて見ていきます。
▼目次
- PoWとPoSの違いを知るための基本その1:PoWとは
- PoWとPoSの違いを知るための基本その2:PoSとは
- PoWとPoSの違いを知るための基本その3:PoWのメリット・デメリット
- PoWとPoSの違いを知るための基本その4:PoSのメリット・デメリット
- PoWとPoSの違いまとめ
PoWとPoSの違いを知るための基本その1:PoWとは
PoW(proof of works)は、取引検証作業をするとその報酬として新しいコインをもらえるという仕組みで、ビットコインやモナコインがこの方式を採用しています。
PoWの取引検証作業は、膨大な量の計算です。
コンピューターを使って大量の計算をして、最も早く解答にたどり着いた人が報酬として通貨をもらえます。
PoWとPoSの違いを知るための基本その2:PoSとは
PoS(proof of stake)は、その仮想通貨の保有量に対して新規発行の仮想通貨がもらえる仕組みです。
例えばNEOはこの方式を採用していて、NEOの資産保有量が大きい人ほど、多くの報酬を得ることができます。
金利が発生する仕組みに似ていて、多くのコインを保有すればその分金利が高くなる、というようなイメージです。
PoWとPoSの違いを知るための基本その3:PoWのメリット・デメリット
PoWのメリット
PoWのメリットは、悪意のある攻撃に強いということです。
不正を働くには、世界中のマイナー(計算する人)のコンピューターの計算能力を上回る必要があります。
そんな労力を使って不正を働くくらいなら、マイニングに参加して報酬を得たほうがコスパが良いのは確実です。
PoWのデメリット
反対にデメリットは、膨大な計算をするので大きなコストがかかることです。
計算をするためにハイスペックなコンピューターや周辺機器を導入するコストや、莫大な電気代もかかります。
また、課題としては「51%問題」というものがあります。
悪意あるマイナーによってネットワーク全体の計算能力の過半数が支配されると、ブロックチェーン上においても二重支払いなどの不正取引が行われる可能性が有ります。
前述の通り個人での改ざんはほぼ不可能ですが、大規模なマイニング集団が悪意を持つと、不正取引が行われてしまう可能性が出てきます。
データの改ざんに強いですが、改ざんが100%不可能なわけではない、というのが課題です。
PoWとPoSの違いを知るための基本その4:PoSのメリット・デメリット
PoSのメリット
PoSはPoWの改善策として考案された仕組みなので、メリットは消費電力が少ないこと、51%問題に強いことなどが挙げられます。
膨大な計算は行わないので、PoWより消費電力は少ないです。
51%攻撃を行うには大量の仮想通貨を保有しなければならないのでコストがかかり、また、攻撃を行うことによってその通貨の価値が下がってしまうので、集めたコインが無価値になってしまいます。
なので51%攻撃を行うのは割に合いません。
PoSはこのようにしてPoWの課題を解決しています。
PoSのデメリット
しかし、デメリットもあります。
通貨の保有量が多い人ほどマイニングしやすいので、通貨を貯め込む人が多くなり流動性が損なわれます。
流動性があるからこそ通貨としての意味があるので、これは大きな問題といえるでしょう。
PoWとPoSの違いまとめ
PoWとPoSの違いについて説明しました。まとめると、
- PoWは大量の計算をして報酬を得る、PoSは資産が多いほど報酬を得られるという仕組みになっている
- PoWは電力消費のコストが膨大だが、PoSは電力消費は少ない
- PoWは不正をされにくいが51%問題という課題があり、確実に不正を防げるわけではない
- PoSはPoWの改善策として考案されたもので、PoWよりさらに不正をしにくいが、流動性が損なわれるという欠点がある
以上です。
他にもPoCやPoIなど、ここでは紹介しきれなかったアルゴリズムがあります。
興味ある方はぜひ調べてみてください。